ドゥ ミル 東京ドームホテル

今やホテルのフレンチレストランは、スターシェフブランドを取り入れたり、コンテンポラリーな雰囲気を作ったりしてイメージチェンジを図るか、あるいは他の業態に変えるなどして、急速に変化しています。

そんな中、東京ドームホテルのダイニング「ドゥ ミル」は、今となっては懐かしさを感じるスタイルを残す貴重なホテルダイニングとなりました。

今回訪れたのは、ディナーチケットをもらったから。もうすぐ期限切れなので、慌てて行ってきました。

店先に立つと、中から係が出て来て「こちらはフレンチレストランです」と言いました。単純に店の案内をしただけだと思いたいところですが、若干ながらも見下すようなニュアンスがあり、とらえ方によっては「店をお間違えじゃないですか?」という感じにも聞こえました。

予約をしてあったので名前を告げると、にわかに表情が和らぎ、スムーズに席へと案内されました。店内は木目を多用し、リビングルームのようなくつろいだ雰囲気。でも、木目はシールなので、ちょっと高級感には欠けます。

窓からは東京ドームや遊園地の様子が眺められ、特に夜はイルミネーションが鮮やかです。

どうやらディナーチケットの料理は、メニューにあるものとは違うらしく、内容は口頭で説明されました。オーセンティックなメニューは、懐かしさが感じられ、リゾートホテルのダイニングのようでもあります。

アミューズは飾り皿の上に。

前菜はジャガイモとフォアグラ、鴨肉のテリーヌ。

スープはグリーンピースのポタージュ。グリーンピースは嫌いですが、これが一番美味しかった。

魚料理はアイナメのポワレ。

肉料理は仔牛のカツレツ。写真うつりも実物も不細工ですが、味は悪くありません。

デセールは4種類の盛り合わせ。

最後はコーヒーと小菓子。

どれも味に文句はないのですが、いささか古い印象は否めず、もっと新鮮なインスピレーションを感じさせてほしいもの。これが実力だとは思えませんでした。

サービスにも不満はありませんが、好感を持つ要素もありません。特段気遣いは感じませんし、食卓をより心地よくするための工夫をする気もないようです。

皿を下げる時の音が気になったこと、料理と料理の間隔がやや空き過ぎだったこと、料理を出す時の説明をしないことなども、若干のマイナスポイント。でも、一番気になったのは隣席の女性グループの下品な振舞いと会話でした。