ピエール・ガニェール ANAインターコンチネンタルホテル東京

行こうと思う時はいつも満席。縁がないものと諦めていたのですが、ふと思い立って電話をしたら席が取れたので行ってきました。評判通りの素晴らしい店は、ホテルダイニングの最高峰のひとつです。

ANAインターコンチネンタル東京の36階には、このピエール・ガニェールの他に、広いバーラウンジがあり、洗練された料理と都会的なムードを同じフロアで満喫できる造りになっています。

レストランのレセプションには、ちょっとボンデージっぽいコスチュームの女性スタッフか、もしくはフランス人のメートルドテルが控えています。予約の名前を告げると、小さな入口からダイニングホールへと案内されますが、その趣きはまるで茶室に入る時のようでした。

店内は広く、自由なテーブルレイアウト。ユニークなソファ席もあり、つくろいだ雰囲気です。テーブルセットは白一色。料理の色彩感が際立つことでしょう。

中国風のコスチュームを着たソムリエに食前酒を勧められ、グラスの白ワインを。シャルドネをリクエストすると、ヴォーヌのプルミエクリュ・シャンピモンが注がれました。(グラスで3,630円)

突き出しをつまみながら、メニューを眺めます。ランチコースは3種類。料理は共通で、皿数によって料金が変わるスタイルです。他に、ディナーコースのうちひとつのコースが昼でも注文できるようになっています。

突き出しも、五種類のつまみにコースの流れを凝縮したような印象。物語が感じられます。さて、料理はお昼のフルコース(11,000円)を選びました。

パンも自慢だとか。フランスの小麦を使い、丁寧に焼き上げているそうです。皿に盛られた3種の他に、石板に載ったカンパーニュ、そしてエシュレバターが添えられます。

ピエール・ガニェールのランチは、五種類の小前菜(カクテルドポシェ)が目の前に並び、愉しさと鮮やかさで驚かせてくれます。

目の前から時計回りに、スイカのワルツ、メロンジュースに豆腐とタラバ蟹を載せたもの、帆立貝のポワレと岩海苔の入ったブイヨン、鴨のコンフィ、フヌイユ。

次も前菜。小皿ではなくしっかりとした盛り付けです。濃厚なフォアグラのキューブ。奥にあるピンクの筒はカネロニに見立てた赤桃のアガアガ包み。

魚料理はコチ。皮がパリッと香ばしく、ブイヨンサンテの甘い香りとマッチ。一緒にコチのマリネのローズマリー風味がカクテルグラスで添えられます。

肉料理は仔羊。鞍下肉のローストはタイムの風味を効かせて。サイドには仔羊フィレのグリエにオリジナルのスケッチアップソースを掛けたものを添えています。

そしてアヴァンデセール。ミルクのグラスと小さなお菓子が三つ。

その後にデセールが3皿。この日は3品ともにチョコレートがさまざまなアレンジされていました。

最後はコーヒー。

この内容で11,000円なら安いと思います。サービスは気取りのないくつろいだもの。それでも、料理の説明などはよどみなく正確です。タイミングも見事。また訪れたい店です。