南群星(はいむるぶし)

雲と雲の間。上へ?それとも下へ?
いや、そのむこうの世界へ。

ナハテラスを後にし、石垣島へ向かう飛行機に乗りました。雲に隠れてほとんど海や地上は見えませんでしたが、一瞬だけ真っ青な海とリーフが顔を出しました。

石垣空港はボーディングブリッジのない小さな空港。2013年には新しい空港ができるそうですが、のんびりとした「島時間」を味わうには、古いままの方がありがたいようにも思います。

石垣からさらに船に乗って小浜島へ。港は記憶していたよりも賑やかに感じられました。ゴールデンウィークで人が多いからかもしれませんし、前回訪れてから30年以上経っているからかもしれません。

はるばる来た割には、人の生活感があり、こころなしか拍子抜け。演奏会で訪れた鹿児島県の甑島や、沖永良部島の方が旅情を掻き立てられます。

宿は「はいむるぶし」。こちらの方言で「南群星」、つまり「南十字星」を意味するリゾートです。その名の通り、晴れていれば南十字星を仰ぐことができる(季節によります)のだそうですが、厚い雲に覆われていてはムリでしょうね。

かつてはヤマハがこのリゾートを手掛けていました。大自然と文化とを高次元で融合させようという理念がある通好みのリゾートでしたが、今は別の会社の手に渡り、徐々に色合いを変えつつあるようです。

それでも、敷地に入った瞬間に懐かしさに包まれました。当時から残っているものはむしろ少ないのでしょうが、独特の空気感が遠い記憶を呼び覚まします。

さて散策、と思ったらスコールのような激しい雨。おさまるのを待っていたら日が暮れはじめました。でも、じっとしているのはもったいないので雨の中を歩いてみました。

南国らしい色のこの花はテイキンザクラ。桜のなかまではないそうです。

おなじみ、ハイビスカス。沖縄ではアカバナーって言うらしいですが、ピンクでもアカバナーなのかな。それともピンバナーかな。

ジャングルのようなラグーンには、きっといろいろな小さな生き物が暮らしていることでしょう。

水牛池では、水牛の太郎が愛嬌をふりまいているはずですが、今日はもう家に帰ってしまった様子。明日は会えると期待しましょう。

今夜は雨の音を聞いたり、雨と草のにおいを楽しみながら過ごそうと思います。