アラン・シャペルでブランチ ポートピアホテル

一年ぶりに訪ねるアラン・シャペル。内装がマダム好みの優しい色使いになってからも、デジュネの時間に何度か利用していますが、春の訪れを予感させる日差しに包まれた今日、壁やカーテンの色がこれまでで最も美しく感じられました。ささやかな花々もまた彩りを添えています。

節度と親しみが絶妙に調和した出迎えも、名店ならでは。楽しい食卓への期待感が一層高まります。まずは瀟洒なウエイティングルームに。やがてシェフも顔を見せてくれ、再会の挨拶を交わしました。

お。カーペットにゾウ。今まで、気づかなかったとは。

今日はこの店で結婚披露宴があるため、メインのダイニングホールは貸切。一般向けには山側のサロンを使い、わずか数卓での営業です。賑わうホール席もいいのですが、こうして小ぢんまりとした空間で過ごすのも、まるでオーベルジュのようで心地よく思えます。

今回の献立は、非常に興味深いものでした。メニューには載っていない料理を、シェフの創意工夫に任せて作ってもらったのです。あまりお腹にたまらない、ヘルシーで軽やかな料理。それだけが希望でした。

まずはスペシャルアミューズ。手長海老や帆立貝、ブラックオリーブ、フォアグラの詰まったプルーンなど、リッチな素材をふんだんに使いながらも、軽やかで優しい仕上がりです。

前菜としてはニース風サラダ。長崎のマグロを軽くあぶって添えています。素朴な南仏料理が、こんなにも洗練された形で提供されるとは驚きでした。

メインディッシュはオムレツ。そこに添えられたキノコ!キノコ!キノコ!更にオムレツの中にもキノコ!キノコ!キノコ!ジロール、セップ、モリーユ、そしてブラックトリュフを、惜しげもなくたっぷり。それぞれベストコンディションのものがこれほど揃うのも珍しいと思います。

デセールはさっぱりとソルベとグラス。いつもながら実になめらかです。

最後は小菓子とコーヒー。

食事のお供は、ルイロデレールとシャトーマルゴー2001年。とっても美味しく、とってもハッピーなブランチでした。