the moon and the winter solstice

冬至の今日、東京の空には十六夜の月が輝き、地上に広がる無数の灯と美しさを競っているかのようです。

写真では微動だにしない夜景も、実際に肉眼で眺めていると、またたいたり、ゆらめいたり、一瞬たりとも静止することはありません。寄せて返す波や、キャンドルの炎をいつまで眺めても見飽きないように、果てしなく続くかのような夜景もまた、見る者を惹きつけて離しません。

東京の冬の夜景は、まばゆくもあたたかい。世界一の夜景だと思っています。

昨晩、急に胃に激痛が走り、安静にせざるを得ず、稽古を中断。しばらくベッドで丸くうずくまって休んでいました。

渋谷からの帰りに、新宿のホテルでひとり食事をしたのですが、その際、ちょっとした不愉快な出来事に遭遇して、マネジャーをこてんぱんにやっつけたのですが・・・

その後はケロッとして引き続き食事をし、最後にはニッコリ笑って帰って来たのですが、激痛の原因を考えながら「腹いせに何か仕込まれたか」とマジメに想像してしまいました。

それより、もしノロウイルスだったら、それこそ一大事。腰が痛いどころでは済みません。数年前、とあるインドカレー店で感染した際には、5キロも痩せましたから。あの時のスープ、一口飲んだ時から「何かヤバそう」と思ったのに、「もったいない」を優先してしまったのでした。

まあ、今回は単なる疲労で、胃腸が弱っているのでしょう。数日は刺激を避けた食事を心掛けることにします。

朝までには胃痛も治まり、絶好の稽古日和となりました。午前中までにしっかりと稽古を進め、年内の演奏会に向けた準備はすべて整いました。

午後は深呼吸をするためだけに、ちょっとした外出を。いつもよりゆっくりと歩き、心からも身体からも力を抜いてリラックスします。

途中、誰と出会うこともなく、交わす言葉もないまま湖畔へ。暮れてゆくやわらかな光の中で向き合ったその人は、自分自身でした。

私が生きていることの意味が、ほんの少しわかってきたような気がしました。