千代田チャリティーコンサート

今回ご紹介するのは千代田チャリティーコンサート。8月を除く毎月第3水曜日に開催されている恒例のイベントに、2010年のアンカープレイヤーとしてお招きいただき、集まった皆様にエレクトーンの演奏をお届けしました。

一般にチケット販売などを行わないクローズイベントのひとつなので、限られた方々にしかお楽しみいただけなかったのですが、このブログを通じ、雰囲気だけでもお伝えできればと思います。

このコンサートを主催している千代田テクノルは、放射線や原子力に関わる事業をしている会社なので、私たちの暮らしに直接の関わりはないような気もしますが、レントゲン撮影など、私たちが気付かないところで接点があるようです。

そんな千代田テクノルがチャリティーコンサートをスタートしてから、今回でもう169回目。毎月、各分野の素晴らしい演奏家がこのステージに立っています。チャリティ-コンサートのサイトには、過去のレポートや寄付の実績がアップされています。

私もご縁があって招かれたわけですが、きっと今日のお客様は私のことをご存知ない方がほとんどでしょうから、たくさんの新しい出会いがあるに違いありません。

そして、多くの方々がエレクトーンのイメージを一新し、更なる興味を持って下さることでしょう。

会場は、千代田テクノルの本社ロビー。普段は会社を訪れる方々をお迎えする広々としたロビー空間が、イベントの日にはコンサート会場に変身します。

音響業者さん、照明業者さんも加わり、私が到着するまでにはエージェント泉さんがすべての準備を整えていました。

一休みしてから、リハーサル。音響さんは通常通りPAスピーカーをステージ前面にセッティングしていますので、とりあえずそのままの状態で一曲弾いてみましたが、やはり自分が出す音は自分が責任をもって聞きたいと思い、PAスピーカーを舞台後方を移動してもらうことになりました。

速やかに希望をかなえてくれ、リハーサルを再開。自分の音もよく聞こえるようになり、今度は気持ちよく演奏できます。

周囲が大理石張りの空間なので、ホールのような広さではないのに、豊かな余韻が感じられます。ゆったりとした曲は、本当にうっとりするような美しさですが、テンポの速い曲は、少々ぼやけてしまうおそれがあり、注意が必要です。

一通りのプログラムをリハーサルしたら、ちょうどよい頃合いに。社長室に挨拶に訪れた後、楽屋に戻って身支度を整えました。

ご来場のお客様は、あらかじめハガキで応募し、抽選で選ばれた方たち。入場は無料ですが、その分、チャリティーボックスに寄付をする方が多いようです。

透明のボックスの中には一万円札も。投じて下さった方が後悔しないよう、よい演奏をしなければいけませんね。私も何かしたいと思い、お買い求めいただいたCD1枚につき500円の寄付をしました。

コンサートは細田会長の挨拶からスタート。

コンサートは2部構成で、第1部は映画音楽ばかり6曲を演奏しました。今日のお客様はよく音楽を聞き慣れている雰囲気。私が投げかけたものが、スッと染み込んでいくの感じられ、弾いていてとても気分がいいです。

休憩をはさんで第2部は、映画の中のクラシック。そう、今回はプロデューサーの指示により、映画にまつわる曲を演奏することになっているのです。

映画音楽と一口に言っても、年代やジャンルによって曲想はさまざま。ハリウッド黄金時代には名曲と言われる作品が数多くあり、どれを弾くか迷ってしまうほどでした。

一方、映画の中で聞こえてくるクラシック音楽もたくさんあります。単なるBGMのように使われるものもあれば、物語と密接に関わっているものもありますが、後者の方がはるかに効果的に感じます。

中でもとりわけ印象に残っているのは、ゴッド・ファーザーIIIの終盤で、主人公の目の前で愛娘が殺されるシーンで流れる「カバレリア・ルスティカーナ」の間奏曲。あの美しすぎる旋律と無残なシーンとのコントラストは衝撃的でした。

今日は全曲が映画と密接に関わりのある作品ばかりを演奏するという、私としては珍しいプログラムでの演奏会。最後にはサンタさんから花束のプレゼントがあり、そのお礼にアンコールでクリスマスソングを演奏しました。

冬になると、心がホットになる映画が観たくなりますが、私に与えられた時間で楽しめるのは、超短編映画だけかもしれません。

終演後は会長や御常連の皆様と「小福」のうなぎに舌鼓。これでパワー復活間違いないですね。