皇帝ダリアとマグロづくし

朝から少々雲行きがあやしかった木曜日、霧島と鹿屋で2回のトリオコンサートが行われました。鹿児島に来てからしばしば目にするトップ写真の花。背が高く、花が大きいのでとても目立ちます。

何という花か気になっていたのですが、移動のタクシー車内に親切な案内が掲げられていました。名前は「皇帝ダリア」。背が高いので「ツリーダリア」とも言うそうです。花ことばは「華麗」「威厳」。なるほど。いずれも私の憧れです。

午前中は国分南中学校へうかがいましたが、鑑賞するのは国分南小学校、平山小学校、塚脇小学校の3校児童。本来は国分南小学校で開催予定でしたが、体育館の建て替えのため、中学校の体育館をお借りしたというわけです。

こちらの体育館に備わっているピアノは2008年に納入されたばかりの新しいもの。米津さんは到着するなり感触を確かめ、指慣らしに勤しみますが、まだピアノが目覚めていない感じで、鍵盤タッチも重く、弾きにくそうにしていました。

それでも、本番ではいつも通りにダイナミックで華麗な演奏を披露し、子どもたちの喝采を浴びていました。毎回異なる環境に寄り添っていくのは簡単なことではありませんが、真っ向からチャレンジしている米津さんの姿勢は、子どもたちの目にもカッコよく映っているはずです。

そして午後からは車で1時間以上の道のりを経て到着した、鹿屋市立第一鹿屋中学校でのコンサート。約700名の生徒のいる学校で、とてもスポーツが盛んだと聞きました。校長もスポーツマンらしさのある凛々しい外見と、親しみやすい爽やかな雰囲気を持ち合わせた人でした。

今年トリオで巡回するスケジュールの中では、中学生対象なのはここだけでしたが、非常に鑑賞能力が高く、私たちの精神性を鋭く見抜くような視線を投げかけられ、心地よい刺激を感じながらの演奏となりました。

ますます磨きが掛かって絶好調のアンサンブルですが、残すは土曜日の1回のみ。明日は私ひとりだけのコンサートなので、波多江さんと米津さんは休演日です。

そのため、鹿屋から国分に戻ったところで一度解散。ふたりは鹿児島市内へと繰り出して行きましたが、私は串木野に向かいました。

夕方からは豪雨になり、ところどころ道が川のようになっていましたが、とりあえず無事に串木野に到着。今日は5時間近く車に乗っていたことになります。東北や北海道でもう慣れっこですが、やはり移動の繰り返しが続く毎日は疲れます。

串木野の宿は海沿いにあり、とてもレトロで静かです。まるで下甑島のような雰囲気。でも、甑島では「きびなご」づくしの料理でした(私はヒカリモノが苦手なので厳しかった・・・)が、串木野は「マグロ」づくしです。

テーブルに並んだ料理は、デザート以外、すべてマグロ関係の品々。様々な部位を様々な調理法で味わい、同じ素材でもアレンジによってこうも違ってくるものかと驚きの連続でした。

これでもごく一部なんですよ。

実は宮崎から戻った夜に発熱して以来、ずっと体調不良が続いています。ほとんど声が出せない日もあり、その際のコンサートではお聞き苦しい声での進行となり、大変ご迷惑をおかけしました。また皆さんに散々心配をかけ、心苦しく思っています。

もちろん、プロですので、どんなことがあっても本番に穴をあけることはありません。ひとたびステージに上がれば、何事もなかったように振舞えるよう、日頃から訓練を積んでいますので、演奏に大きな支障はありませんでした。

日によっては片耳が聞こえない時もあり、アンサンブルでのバランスがとりにくく感じました。休養する時間もなく、連日ステージに上がっていますので、なかなか治りませんが、だいぶよくなってきました。

毎晩、明日こそは本調子でと意気込むのですが、スッキリと治るにはもう少し時間が掛かりそうです。というわけで、早く休みたいのですが、下品なおっさんたちが酔っ払って騒いでいます。お願いだからおっさんたち、静かにして…