旭川~小樽 ホテルダイニングといつもの福鮨

昨日までの計画では、私だけ一行から離れて一足先に小樽入りし、会場のエレクトーンを使っての仕込み作業に勤しむつもりでしたが、やはり他のスタッフも慌しく公演準備を進めている環境では落ち着いてよい仕事をすることはできませんし、何より当日のコンサートのために努力している人たちの邪魔になってしまいますので、遠慮することにしました。

エレクトーンだけ舞台袖に運んで取り組むというプランもありましたが、腰のコンディションの心配もあり、私にしては珍しく「今日すべきことの先送り」を選びました。

というわけで、他の出演者と一緒に、午後1時に旭川を出発することになりました。途中のサービスエリアで慌しい食事をするよりも、ホテルで落ち着いてランチをしてから出かけようというプランに、私も賛同したというわけです。

向かったのは旭川グランドホテルの最上階にあるメインダイニング。高い天井、大きな窓という開放的な環境に加え、重厚感溢れる内装が印象的な店です。

クロスに飾り皿というテーブルセッティングをした本格的なレストランですが、ランチはなんと1,300円からというお手頃プライス。しかもテーブルにメニューを持ってきた給仕は、そのお安いランチがおススメだというのです。

最初に様々な一口前菜を盛り合わせたプレートが来て、メインディッシュは魚か肉をチョイスでき、さらにデザート、パン、コーヒーまで付くという充実ぶり。

共演者たちは3人ともそれを注文しましたが、私はちょっとだけ奮発して2,500円の「北海道マルシェランチ」を選びました。一口アミューズ、2種類からチョイスする前菜、同様に2種類からチョイスするメインディッシュ、そしてデザート、パン、コーヒーという内容です。

結果的に私はこちらにしてよかったと思いました。1,300円のものは、確かにお手頃プライスですが、せっかくきちんとした店に入ったにしては、料理がカジュアルで、雰囲気に負けてしまいます。

それにしても、このお値段でこれだけ凝ったものを出すのは容易ではないはずですので、なんとか店に客を呼び込もうというただならぬ意欲が感じられます。

一方、2,500円のコースは、前菜、メインともに量的には控えめですが、素材の質もアップしますし、それだけ食べ応えもありました。3種類の肉を食べ比べられるのも面白かったですし、やはり私は牛肉が好きなのだと再確認できました。

お腹いっぱいになったところで旭川を後にして、小樽へと出発しました。毎度ながら、女性陣はお昼寝。私は頭の中だけでオシゴト。今日できなかったことを、いつ取り返すかの作戦も練りました。

今日のコンサート会場は1216席を持つ小樽市民会館大ホール。とても古い設備ですが、ホール内には豪華なシャンデリアが輝き、座席の配置もユニーク。

しかし困ったことに、館内は階段だらけのバリアマックス構造です。楽屋から舞台袖までは必ず細い螺旋階段を通らなければなりません。ハイヒールの女性陣にも厳しいものがありますが、一歩ごとに杭を打たれるような痛みが走る私の腰には致命的です。

とはいえ、いくらなんでもおぶってもらうわけにもいかず、何とか這いあがりました。呼吸が止まってしまうかと思いましたが、それが治まるより早く開演となりました。

これほど苦しい本番は過去に例を見ませんでしたが、たぶん、そうは見えていなかったのでしょうね。

終演後はもちろん、いつもの福鮨へ行きました。出演者やプロデューサー、小樽でいつも応援してくれている方々と共にカウンターに並んで、忠さんの握る寿司に舌鼓を打ちました。

造りは大胆ながら繊細。今日はシャコがとても美味。トロもいいです。

私のお気に入りはこちらのミニミニサイズのウニイクラ丼。

焼き魚。

女性陣は貝が大好きなご様子。帆立に鮑、赤貝と次々と注文が飛び交うので、忠さんは大忙しです。

最後はオオスケをたっぷり入れた味噌汁でおしまい。今日は皆さんいつもよりもアルコールが進み、とてもゴキゲンです。そんな皆さんの様子を見ていると、私も嬉しい気分になることができました。

これでまたパワフルな演奏に向けたチャージが完了。ご馳走は、熱く生きるパワーを与えてくれます。