空港狂騒曲

今日から姜建華二胡コンサート北海道ツアーが始まりました。姜建華さんは前日に北海道入りしましたが、他の出演者とスタッフは当日の移動です。

初日の会場となる函館へは、羽田から飛行機を利用しました。乗る便は同じですが、特に待ち合わせはせず、機内で会うかもしれないし、会わなければ現場でという程度の気楽さです。

私は出発の45分ほど前に空港に到着したので、ひとりで手荷物検査場を通過し、新しくなったJALのラウンジで過ごすつもりでした。ラウンジの受付に立ち寄った時、ちょうど携帯電話に着信がありました。見ると出演者のひとりから。これは応じないわけにいきません。

何事かと思えば、渋滞に巻き込まれ、予定の便に間に合わないかもしれないというのです。車でのアクセスを諦め、浜松町からモノレールに乗るところだが、きわどいので代わりにチェックインしてくれと懇願されました。

そういわれでも、すでにチェックインを済ませた私が、もう一度他人になりすましてチェックインすることなど不可能です。

さて、現時点でできることは何か。とりあえず、目の前にいる係に事情を説明し、どうすべきか指示を求めました。すると、大変丁寧に、的確な返答をしてくれました。

「必ずご搭乗いただけるとお約束はできませんが、出来る限り努力します」と係。地上の係全員に遅れてくる搭乗希望者の氏名と便名を伝え、誰に声が掛かってもサポートができる体制を敷いてくれました。

私はその間に、モノレールの何号車のどの扉から降りるのが最速かを調べ、その答えとともに、下車後に可能な限り速やかに係に声を掛けるようにとメールで伝え、手荷物の大きさや、機内持ち込み制限品を持っていないかなどを尋ねました。

とりあえず、ゲートで足止めを食らう要素は何もなさそうです。更に「飛行機でランチでるの?」とのメールが来たので、きっと空腹なのだろうと思い、ラウンジを出て、機内で食べられる簡単な食事を調達しました。

最初の電話から24分後、出演者は無事に搭乗口に到着。飛行機の出発に悪影響を及ぼすこともなく、定刻に動き出しました。これで今日の公演に穴が開くこともありませんので、私も一安心です。

JAL係員の努力がなければ大変なことになっていたでしょう。とても親切に対応してくれ、頼もしく思いました。それに、私自身のことも。ツアーコンダクターやマネジャーをやらせたら、結構有能だと思いません?

さて、私にとって函館を訪れるのは今回が初めて。夜景の美しい港街というイメージですが、実際はどうなのでしょう。でも、空港-会場-ホテルしかコースに含まれていませんので、残念ながら、観光の時間はなさそうです。せめて会館の周辺にステキなひとコマはないかと思い、探してみました。

函館のお客様はとてもノリがよく、私たちもついつい演奏に一層の熱がこもります。拍手も熱いですし、聴く時はしみじみと聴いてくれました。初日が絶好調ですから、きっとツアー全日程ともに盛り上がることでしょう。

ただ、心配なのは私の腰のコンディションです。ここ数日は違和感も軽くなっていたのですが、今日はイマイチ。弾いている時は夢中ですし、勢いでやっていますが、トークの時が一番しんどいです。張りのある声が出せませんので、テンションが低いように誤解されないかと心配です。

声に力は入らなくても、演奏のパワーはいつも通りにいきますので、私の情熱は演奏から感じとってもらえるとさいわいです。