岡山、香川、そして三重

秋晴れの空を仰ぎながら、朝のマリンライナーで香川へ。今日はスーパーレッスンです。

いつもは時間枠を定めず、コンディションや雰囲気を見ながら「今日はここまで」というラインまで進めるのですが、今日は次の目的地への移動が決まっているので、終了時間を見込んでスタートしました。

課題にしてあった曲を弾いてもらい、いくつかアドバイスをした上で、今度は私が同じ曲を弾く。そしてその後、もう一度生徒が弾くという繰り返しがメインです。

譜読みが間違っているとか、うまく弾けないなどということについては私は相手にしません。そのようなことは自分自身でいくらでも解決できますから。

それよりも、音楽全体をどうとらえるかや、一曲を通して演奏するに当たっての方針、体の姿勢など、インストラクションが必要なことについては、容赦なく要求をぶつけていきます。

その上で、どのような精神性で演奏するべきなのかについては、一緒に考えるようにしています。

私はすぐに何でも与えたくなってしまうのですが、ひな鳥に餌を運ぶ親鳥のようになってしまっては、芸術性は育ちません。受講生たちが自分にはなくて私には備わっているものに気付き、更にはその価値に気付き、それらを得ようと進んで求めてくるのを待つ必要性を感じています。

今日は5時間のレッスンでした。その間には、ピアノコンチェルトのアンサンブルもやりました。受講生がエレクトーンでオーケストラパートを弾き、私がピアノソロを弾くというスタイルでしたが、たとえ講師と受講生であっても、同じ曲を演奏している瞬間、私は互いに同じ演奏家だと思っています。

まだまだ音楽表現の手法に開きがあるので、しっくりとしたアンサンブルには到底ならないのですが、いつか本当の意味で対等なアンサンブルができる日を心待ちにしています。

ギリギリまでレッスンをしていたので、ランチタイムを逃してしまいました。そこで、駅舎内にある讃岐うどん店で釜揚げうどんを頼みました。これならすぐに出てくると思ったからです。

念のため店員に確認すると、これから切って茹でるので提供まで10分は掛かるとのこと。予定の列車に乗るには結構きわどいところですが、ここを逃したら一日断食になりかねないので、強行しました。

10分足らずで出してくれたので、これなら楽勝と思いきや、釜揚げうどんは結構熱く、思うようには進みません。ああ、もうこれで限界と急かされホームに向かうことになりました。

いやはや無念です。出されたものを残すなんて。しかも、とても美味しかったのに・・・「次に来る時まで取っておいて」と言いたいところですが、さすがに無理でしょう。

後ろ髪にうどんが絡まった状態で香川を出発し、マリンライナーとのぞみを乗り継いで新大阪まで行き、タクシーで大阪難波へ。更に近鉄特急に乗って伊勢中川へと向かいました。

途中、おぐけんの邸近くを通りましたが、おぐけんは今頃東京です。「11月6と7で東京いくけど」とメールが来たのは10月初めだったと思います。「窓開けたら新幹線ってホテル取った」と自慢げに付け加えられていました。

それに対し私の返事は「その日は三重。あえへんな」とあっさり。

しばらくして「志摩観で黒鮑?」と来たので、「いや、松阪牛」と私。

滅多に顔を合わせられないばかりか、互いに相手の領土に行き違っているというのも妙な感じです。

伊勢中川で姜建華さんと合流し、早速、明日のプライベートコンサートのリハーサルをしました。

準備が進行中のバタバタした会場で、まだ音響セッティングも整わない中、スタートしたリハーサル。姜建華さんが私を信頼してくれるのは嬉しいのですが、私の不安要素を解決するには実にもの足りないほど、あっさりと終わってしまいました。あとは、本番にかけるしかありません。

実はコンサート会場は整形外科医院。なんとタイムリーな。院長に私の腰のことも伝わっており、なんとレントゲン撮影の準備までして待っていてくれました。

診察の結果も悪いものでなく、一安心。無理をしなければ、快方に向かうとのことです。ついでにインフルエンザの予防接種を受けましたので、この冬の対策も万全。コンサートシーズン後半戦も張り切っていきましょう。