せんくら2010~初日16曲が終わりました

今日からの3日間に備え、昨晩は早く休むつもりで零時過ぎにはベッドに入りましたが、緊張と興奮で結局ほとんど眠れませんでした。でも、雨かもしれないと聞いていたのに、素晴らしい青空が広がっていて、いい一日なりそうな予感です。

ホテルの朝食は7時からなので、その時間きっかりにレストランに出向きました。ところが、団体客がすでに入店していて満席だったため、少し落ち着くの待ってから店に入りました。

いつも朝食のメニューは決まっています。山盛りサラダにフライエッグ、オールブランと無脂肪牛乳、トマトジュース、無脂肪ヨーグルトと山盛りブルーベリー、そして入れたてのコーヒーです。

でもこの店にあるものは、トマトジュースとコーヒーだけでした。それなら趣向をかえて、宮城名産尽くしと行きましょう。笹かまぼこに、長茄子の漬物、仙台味噌のシソ巻、白石うーめん、ずんだ団子をテーブルに並べ、宮城気分を満喫しました。

さて、のんびりはしていられません。私はせんくら2010のトップバッターです。会場入りは9時前の約束ですので、8時半に車が迎えに来ます。それまでにステージ用の支度を整えて出掛けなければなりません。

順調に支度が整い、8時20分に出発。会場には8時半に到着しました。もちろんジェスクの担当者や会場責任者はすでに到着していましたが、肝心な会場は9時にならなければオープンしません。

しばらくロビーで雑談しながら時間を待ちます。そこに続々とスタッフやボランティアの皆さんが集まって来ました。実に多くの方々に支えられて成り立っているところを目の当たりにし、せんくらに出演できることを本当に誇らしく思いました。

会場が開いたらすぐにセッティングとリハーサルです。スタッフは昨年もご一緒した方なので安心。全曲をランスルーするには、ちょっと時間が足りませんので、急ぎ足でささっと感触を確かめます。

もっと弾いていたかったのですが、開場時間が迫ったので終了。楽屋に戻ると、隣の会場でリハーサルに臨む仲道祐子さんのピアノが聞こえています。

テーブルにはお客様から届けられたフラワーアレンジメントが置いてあり、美しい花と仲道さんのピアノに囲まれて出番待ちができるなのてなんと優雅なことかと、ひとり酔いしれていました。

さて、せんくらのオープニングは、名物「0歳児OK」コンサート。私も仲道さんもこどもちゃんとママたちに囲まれての演奏です。

仲道さんに「こうした環境での演奏で、気持ちが乱れたりはしないのですか」と質問したところ、あらかじめコンセプトを把握しているので大丈夫とのこと。さすがベテランの貫禄です。

私はこうしたコンセプトのコンサートは大賛成ですし、コンサートデビューに私の演奏を聞いてもらえるなんて光栄なことだと思っていますが、客席の様子が気になって、演奏に十分な神経が注げないこともあります。

今回も、ロビーにずらりと並んだベビーカーを見て圧倒されました。私の音楽は皆さんの心に届くのかと、ちょっと不安にもなりました。

ところが、ステージに出て客席を眺めると、お客様が本当に柔らかくて優しい表情をしていて、それにホッと和ませてもらいました。こどもちゃんとママが音楽に合わせて笑顔を交わす様子は、映画のシーンを見るよりも感動的でした。

1回目のステージを終え、サイン会をした後、すぐに次の会場に移動。そしてまたすぐにセッティングとリハーサルです。こちらは昨年も出演した会場なので、勝手はわかっています。スタッフは今年初めての方ですが、とても熱心で信頼できる女性たちで安心しました。

リハーサルを終えから、東仙台にあるK’s Music Laboratoryにお邪魔して、稽古をさせてもらいました。こちらのスタジオにはSTAGEAのカスタムとプロフェッショナルが並んでいるだけでなく、前世代の最高機種を含め、4台ものエレクトーンが用意してあります。

早速稽古と思いつつも、オーナーさんとエレクトーン談義に花が咲いてしまいました。でも、こうしたコミュニケーションもまた、音楽へ向かう気持ちを盛り上げてくれますので、ひたすら稽古に徹する以上に効果があったような気がします。

あっという間に戻らなければならない時間となりました。会場へ到着すると、三浦友理枝さんのステージが始まっていました。会場は満席なので、外に漏れてくるかすかな音に聞き耳をたてます。その音色とともに、会場内のいい雰囲気も伝わって来ました。

次は私の2回目のステージ。音楽から季節と風景を感じて頂こうという趣向で組んだプログラムは、ヴィヴァルディの四季からスタートですが、せんくらには本格的な弦楽合奏による四季もプログラムされていますので、私は別の角度からアプローチしました。

旋律に弦楽器の音を使わず、「ウルトラモダンクラシック」をコンセプトにアレンジしたスタイルでお届けしました。その後も、モダン系や現代作品を続け、後半は「ドクラシック」。

今日のお客様は聞くマナーが実に素晴らしい!演奏家をその気にさせる魔力を持ったお客様です。せんくらに来ると、とにかく正確な演奏をすることに気を取られて、勢いを失ってばかりだった私。それを、リスクを恐れず音楽的な大胆さに徹しさせてくれ、音楽家として本当に幸せでした。

久しぶりにアドレナリンの出る演奏をした気がします。

終演後はお客様と挨拶を交わしました。また来て下さい!の声をたくさん頂き、とても嬉しかったです。今年のJEF東北ファイナリストも聞きに来てくれましたし、先日このブログにコメントを寄せてくれた大学エレクトーンサークルMUSICAの皆さんも駆け付けてくれました。

サークルの皆さんが生き生きとエレクトーンを楽しんでいる様子を、もっと多くの人に知ってもらえたらいいと願っています。
彼らのサイトに出演情報が記載されていますので、ぜひ応援してやって下さい。

さあ、今日の演奏で35曲中、16曲が終わりました。終わってしまうと寂しいものですが、今はあと2日の19曲に意識をフォーカスしたいと思います。

今、このブログを書きながら、今日会場で購入してきた美女3人によるラヴェルを聞いています。収録は軽井沢大賀ホール。う~ん、懐かしくも美しい響き。おかげで、すっかりリフレッシュしました。

明日も燃えますよ。