jet STBフォーラム vol.3

今日は、以前より楽しみにしていた「jet STBフォーラム vol.3」が開催されました。

会場となるエレクトーンシティに到着したのは、午前9時半過ぎ。控室も用意してもらっていましたが、いつも慣れ親しんでいるスタジオの方が落ち着くので、そちらを楽屋代わりに使わせてもらうことにして、いっこく堂さんの到着まで、再度段取りの確認をしながら、一通りざっと弾いてみました。

特に問題はありません。続いてウォーミングアップとして、リサイタル用の曲をいくつか弾いてみました。コンディションにも不都合はないようです。

いっこく堂さんが到着し、楽屋に入ったとの知らせが来たので、一目挨拶をしに伺いました。特に内容については話題にせず、「それでは一足お先にステージでお待ちしています」と言って失礼しました。打ち合わせも、確認も一切なしです。

いっこく堂さんには親しみを感じますが、本番前の慣れ合いは禁物です。互いに、自分のすべきことを全うした上でなければ、相乗効果は期待できませんし、相互の信頼がなくてはコラボは成功しません。

ありがたいことに、いっこく堂さんが私の音楽を信頼してくれているので、余計な心配をせず、互いにのびのびと役割を果たすことができます。

10時からスタートしたフォーラムですが、まずはjet先生方の事例報告がいくつかあって、その後にゲストタイム。私のソロから始まりました。

今日は「ボレロ」を演奏しました。曲のエンディングに合わせていっこく堂さんがステージに登場し、曲終わりと同時にいっこく堂さんに明りが当たるという趣向。

そこからはスピーディーにステージが進み、いっこく堂さんと人形「師匠」とで「世界でひとつだけの鼻」を歌いました。師匠の鼻がぴくぴく動くことから選んだ曲です。実際に歌っているのはいっこく堂さんだけなのに、まるで二人のデュエットを聞いているよう。

続いては私の大好きな「サトルとジョージ」。おしゃべりな鳥と、ほどよいボケの効いたサトル、そしていっこく堂さんとの掛け合いは実に絶妙。これまたひとりでやっているとは思えません。

「カンちゃんとはりきりにいさん」の劇では、いっこく堂さんは終始しゃべりっぱなし。キャストが複数いれば、時折休止部分もありますが、ひとりですべてのセリフを話すわけですから、休む暇はないわけです。

これは、まさにエレクトーン演奏に通じるものがあります。オーケストラ作品をすべてひとりで弾く場合、終始休みなしで全パートを演奏しなければなりませんし、その複雑さを感じさせない自然なパフォーマンスを心がけなければならない点にも、いっこく堂さんの芸と共通点があります。

続いては、いっこく堂さんオリジナルソング「生きてるだけでそれだけで」。そして、会場の皆さんの中からひとりにご協力いただき、いっこく堂さんの「本音マイク」という道具を使ってのコーナー。

最後は一緒に「サンタルチア」を歌って終演でした。いっこく堂さんは、とても音程感がいいですし、何といっても口を閉じたままでオペラティックな歌声を出すなんて、もうビックリです。

私もステージで楽しく満喫させてもらいましたし、気持ちよく演奏することができました。リサイタルに向けてあの世をさまようような日々の中、束の間の楽しい時間でした。