シンガポールのチョコクロは一味違う?

12月中旬のオープンを目指して準備が進められていたサンマルクカフェのシンガポール第1号店が、いよいよ12月6日にグランドオープンすることに。開店前日の5日、関係者向けの招待会に行って一足先に味わってきました。

場所はセントーサへのゲートウェイとなるハーバーフロント駅に直結した大型ショッピングモール「Vivo City」の1階。音楽標語では「生き生きと」「快活に」と言った意味で使われる「Vivo」ですが、その言葉の通り、平日なのに館内は人・人・人の大賑わいです。

店の前まで行ってみると、まだオープン前ということで、仕切りのパネルが取り付けられたままなので、外からは中の様子がわかりません。ヒミツの扉から中に入ると、多くの招待客で盛り上がっていました。

といっても、特別なセレモニーがあるわけでなく、招待客がふつうにお客に扮して、カウンターで品物を注文するというスタイル。すべてが初めてのスタッフのために、リアルなトレーニングを兼ねているわけですね。

内装を見る限りでは、シンガポールにいることを忘れてしまいそうなほど、日本のサンマルクカフェと同じです。でも、ガラス窓に張られた目隠しシールがはがされれば、ハーバー越しにセントーサ島を望む風景が広がり、より開放的な雰囲気になることでしょう。

さて、フードアイテムですが、日本でも人気のチョコクロはもちろん、サンドイッチや焼き立てパンなど、馴染みのある品物が並んでいます。

焼き立てのチョコクロ。あれ?日本のよりちょっと大きくありませんか?一口頬張ってみると、軽やかなサクサク感。日本だともう少しギュッと締まった感じがしたような。でも、やっぱりこの味はチョコクロです。

コーヒーは日本のLサイズよりも大きくてたっぷり入っています。これもシンガポール向けの工夫なのかもしれません。

その他、和のスイーツがいろいろ揃っています。「リトル富士」という丸いデニッシュにソフトクリームを絞ったような品を食べてみたかったのですが、あいにく品切れ。きっと他のゲストも気になったのでしょうね。

パフェグラスに盛られたかき氷とか、ソフトクリームサンデーとか、ぜんざいやあんみつ風のスイーツなど、日本のサンマルクカフェにはないような品のサンプルがずらりと並んでいます。ネーミングもユニークで、芸者とか都とか奈良とか、古都にちなんでいます。

上の写真は祇園。わらび餅、小倉あん、抹茶アイスクリーム、ソフトクリームのコンビネーションは日本の和カフェさながら。ミントのバカでかさが熱帯的。もうひとつ試したのが、大阪ミックスというドリンク。懐かしいミルクシェイクみたいな味でした。

大きな会社が練り上げたメニューですので、品物の完成度はどれも見事です。それにも増して素晴らしいのは、スタッフたちの本気度。だいたいシンガポーリアンに笑顔や謙虚さを求めても、どこかウソッぽくなるものですが、皆さん緊張しつつも本気で取り組んでいることが感じられます。嘘でない笑顔はいいものですね。

新しいスタートというのは、いつも特別な刺激を与えてくれます。こうしてオープン前の様子を見せてもらうことで、日本の底力と品質に改めて圧倒されました。

ふだんの私は、ポピュラーな品物には、まずもってポピュラーであるという理由で興味を持ちません。でも、そこにはドラマもあるし、文化でさえあるかもと思うようになりました。すっかりカルチャーショックです。