3/20 「音楽のたのしみ」について

サロンコンサート「音楽のたのしみ」まで1週間となりました。急遽、実施を決めたのが1ヶ月ほど前。それからあっという間に世界が大きく変わり、驚きや不安にとらわれる日々が続いています。

演奏曲目を決めた時は、一刻も早くCovid19の呪縛から解放されたいとの願いとともに、近ごろふさぎがちな自分自身の気持ちを整え鼓舞するような内容を意識しました。そうして選んだ作品を今、音楽とは何だろう、人間とは何だろうと考えながら、震える手で弾くことになるとは、たいへんなショックです。

音楽に罪はないという言葉をしばしば耳にする様になりました。確かにそう思います。しかし、演奏するのに相応しいかどうかは別問題ですので、戦いを彷彿とさせる曲やロシアの作曲家による作品を演奏していいのか、ずいぶんと悩むことになりました。

実のところ、こうした作品のみならず、ほかのどんな曲もまったく弾く気になれない時期がありました。必要に迫られ楽器に向かっても、吐き気がするほどの罪悪感と抵抗が湧き上がってくるのです。

それでも弾かなければ。葛藤の中で、とにもかくにも弾くという行為に集中していると、音楽の奥底から光が差してくることがあります。まさに今がそのような状態で、弾くのはいかがなものかと思っていた作品にも、うなだれた心をシャキッと伸ばしてくれる力が宿っているとわかり、意欲が戻りつつあるところです。

こうした経験を通じて、2週間、演奏会の開催と選曲の是非を熟慮した結果、予定通りに開催し、曲目も変更せずに演奏することにいたしました。ご理解いただけますようお願いいたします。