9/15 田中大地ホルンリサイタル

9月になりました。今月の演奏会は2回。15日にはホルン奏者・田中大地さんのリサイタルに出演します。

ホルンと聞いて思い浮かぶのは、ハイジが住むような世界だという方も多いのではないでしょうか。確かにホルンのまろやかな音色は、そびえる山々やエーデルワイスが咲くような風景がよく似合います。その一方で非常に力強く厚い鋼鉄のような逞しさもホルンの魅力です。

また、これは私の個人的な観察ですが、ホルン奏者は生真面目で争いを好まず、我慢強くて信念を持っているというイメージがあります。それでいて乗せると面白く、あんがい付き合いもノリもいい。でも乗せるまでは煮ても焼いても食えない、なんて感じです。

そんなホルン奏者のイメージそのものなんて言ったら叱られそうですが、田中大地さんは概ね当てはまっていると思います。

今日は本番に向けた第1回目のリハーサルがあり、田中さんに加え、他3名のホルン奏者に会いました。若くてきれいなホルン奏者ばかりを集めた田中さん、何やら下心でもあるんかいと疑っていましたが、音色を聞いて納得。みなさんからベテラン奏者ならではの音や息遣いが感じられ、音楽的な信頼によって選ばれたメンバーなのだということがよくわかりました。

4本のホルンが揃うと、これまたリッチで心地よいハーモニーが広がります。調和っていうのはこういうことなんだなと改めて理解しました。バランスが乱れる事柄に取り囲まれている現代生活、ぜひホルンのハーモニーを聴いて、心をバランスを整えてください。

そんな完璧な調和にエレクトーンがどう分け入って行くのかにも、ぜひご注目いただきたいと思います。

そしてもうひとりのスペシャルゲストにフルート奏者の玉村三幸さんをお迎えします。フルートとホルンは相性抜群。まるで二重唱のようなアンサンブル、フルートと4本のホルンによる演奏、そして全員でのコンチェルトなど、たっぷりとお贈りします。

曲目には馴染みのないものが多いかもしれませんが、難解な作品はひとつもなく、心地よく楽しめる曲ばかりです。初めて目にする花の香りを確かめるような感覚で自然に受け入れると、最高にお楽しみいただけると思います。ご来場をお待ちしております。

ヘンデル/オンブラマイフ(ホルン・エレクトーン)

F.シュトラウス/ノクターン(ホルン・エレクトーン)

R.シュトラウス/アンダンテ(ホルン・エレクトーン)

F.シュトラウス/ホルン協奏曲(ホルン・フルート・エレクトーン)

ドップラー/リギの思い出(ホルン・フルート・エレクトーン)

ドップラー/森の小鳥(ホルン4本・フルート)

ハチャトゥリアン/剣の舞(エレクトーン独奏)

フォーレ/シシリエンヌ(フルート・エレクトーン)

ヒューブラー/4本のホルンのための協奏曲(全員)