鯉のぼりとマンドリン

こどもの日は父の誕生日でもあり、家族が顔を合わせて90才の長寿を祝いました。演奏会に同行する機会も多いので、各地の皆さまにはいつもお世話になり、感謝しております。

日中はマンドリンオーケストラ「コンコルディア」コンサートのリハーサルに参加しました。オーケストラの中でエレクトーンを演奏するのは菊池玲那。私はその付き添い兼世話役です。

コンコルディアはプロではありませんが、コンサートは本格的で、演奏曲目も興味深いものばかり。マンドリンに加え、声楽ソロ、コントラバス、ピアノ、2台のハープ、チェレスタ、多彩なパーカッション、金管4本が揃い、ユニークでいて充実した響きがします。

エレクトーンの役割はオルガン。いつものあらゆる音をひとりでという複雑さとは対極的に、オルガンの音一点に集中できるところは、シンプルながらも深い面白みがあります。

エレクトーンには、小さなチャーチオルガン、大聖堂風の華やかなオルガン、足踏みオルガンなど、さまざまなオルガンの音が用意されていますが、実際のところどの音にも一癖あって、そのまま使えるわけではありません。

各音色を構成する要素に分解して、使える要素を組み合わせて新しい音を作り、それにまた細かい調整を掛けて理想の音を作っていきます。

実際にホールに行き、経験したことのない編成で合わせた時にどう調和するのかを、ひとりで準備している段階で正確に想像するには、無数の経験が必要です。幸い私にはそれがあるので、下準備にそれほど面倒はなく、会場でも概ね狙い通りの音が出せました。

しかし、その音が作曲者や指揮者の満足に値するかは、いくら想像しても答えが出ません。幸い、今回のリハーサルには作曲者も参加していたので、現場で直接アドバイスを求めることができ、迷うことなく進められました。

弾いている菊池はというと、マンドリンオーケストラとの共演も、オルガンのみというパートも初めてで、ずいぶんと緊張している様子でした。ステージ上で適切な音量感を保つには慣れが必要です。ちょうどいいバランスの時は、自分の音が周囲の音に埋もれて聞こえないので、その環境で不安なく弾けるようにしなければなりません。その意味でも菊池はいい経験をさせてもらったことと思います。

本番は6月10日です。入場は無料ですが、あらかじめ入場登録していただくとスムーズにご鑑賞いただけます。チラシ裏面のバーコードを読み取り、オンラインチケットを取得ください。ぜひご一緒に客席で鑑賞しましょう。

このリハーサルが行われた同じ施設の別ホールでは、いつも応援してくださっている先生の教室発表会が開催されていました。そうとは知らずに出向いたので、お互い偶然のことに嬉しい驚き。

リハーサル後、わずかな時間ではありましたが客席にお邪魔して、何人かの生徒さんの演奏を聞きました。ある人は楽しそうに、ある人は生真面目にダイナミックに、ある人はドキドキしながら。やっぱり音楽はいいなぁと思いながら一足先に会場を後にしました。6日後のリサイタルで、私も彼らのように弾きたいと思います。

マンドリンオーケストラコンコルディアのサイト☟
https://www.moconcordia.com/