Trio Yamagata 春の音楽会

暖かな春の日差しに包まれた土曜日、上野公園の一角にある旧東京音楽学校奏楽堂で開催された、Trio Yamagata 春の音楽会に出演して来ました。由緒正しき憧れのホールでエレクトーンを演奏できたこと、そして山形ファミリーという新しい仲間と共演できたこと、楽しい思い出がたくさん詰まった一日でした。


木造の古い建物を目の前にして立つと、なぜか不思議と入学式のような気分に。今日はここで演奏できるのだと思うと、胸がはずみます。

館内は歴史ある建物ならではの雰囲気。山口の旧県会議事堂を思い出します。ホールは1階にあるのかと思いこんでいましたが、階段を上がった2階にありました。

ステージでピアノ調律が行われている間に、楽屋を整えたり、エレクトーンのセッティングをしたり。弟子たちも集まってくれたので、準備の時間も楽しくなります。

やがてリハーサル。山形兄弟は音の響きを確かめた程度で、全曲は弾かずにアップ。そしてピアノコンチェルトの合わせです。音の響きや聞こえ方を確かめながらも、ノンストップで全楽章を通しました。

山形さんは、すっかりエレクトーンの響きにも慣れ、いいタイミングで息を合わせてくるように。客席では弟子たちがバランスや音をチェックしながら聞いています。

通し終わったところで、あとは本番よろしくと、リハーサル終了。私はステージに残って、エレクトーンの最終チェックを進めます。会場の特性なのか、エレクトーンの音が遠くに感じますので、それに慣れなければなりません。

スピーカーの位置も調整しました。いつもよりダイナミックレンジ幅が広く聞こえるとのことで、ピアニッシモの音量を下げ過ぎないように注意することにしました。音量を保ったままニュアンスだけはピアニッシモするのは容易ではありません。

開場時間になると、受付前には長い列ができていました。もしや入り切れないのではと心配するほど多くのお客様にご来場いただきましたが、開演時にはちょうど満席に。

コンサートは、ヴァイオリンソロ、ピアノソロ、ピアノとヴァイオリンのデュオと、山形兄弟の演奏が続きます。その間、私は楽屋で待機。ホールから聞こえてくる音楽と拍手に耳を傾けながら出番を待ちます。いつもは出ずっぱりなことが多いので、出番待ちをするというのがとても新鮮でした。

それにしても山形さんは大曲を次々と弾いて、更にコンチェルト。体力も気力もたいへんだったと思います。私はたった1曲の出演でしたので、ひとつの作品にどっぷり集中することができました。

山形さんは明日からルーマニアに遠征。22日にはルーマニアのオーケストラとともに今日と同じコンチェルトを演奏する予定です。私は東京でディナーショー。互いに大成功を目指して突き進みます。