8/23霞町音楽堂公演延期のお知らせ

迂闊にも体調を崩してしまい、23日の霞町音楽堂公演を延期することとなりました。

ご来場予定のお客様と関係各位のご期待に背くこととなり、心よりお詫びいたします。

ささやかな公演とはいえ、実現に注がれた労力は大きいわけですが、奏者の健康を優先しながら迅速に動いてくださった霞町音楽堂の皆さまに心より感謝いたします。

そして、熱心に独奏の稽古をしてくださったチェリストの古川展生さんにはもう生涯頭が上がりませんが、寛大なご理解をいただきました。

実のところギリギリまで弾く気で楽器にしがみついておりました。体調は自分が一番よくわかっていますから、今回ばかりは無理だろうと、頭では理解しているのです。一刻も早く延期の要請をするのが最善であることも。

でも、その勇気がなかなか湧いて来なかったのは、背を向けたらどうなるのか、それがわからなかったからです。

決断したのは20日の午前中でした。演奏に必要な準備は完成していたので、朦朧としながらもできる限り弾き続けていたのですが、突然、ダメだこりゃと中断しました。プツッと線が切れるように。

こんなギリギリの演奏を聴くためにチケットを買ってくださっているわけではない。生き生きと力強く繊細な音楽を求めているはず。

自分が客席で聴く立場ならどう感じるか。無理して弾いてくれたらそりゃ労いの拍手はするけれど、なんかモヤモヤしながら帰りそう。

予定通りこそがプロの責任だという心構えに揺るぎはありませんが、人間だもの、時にはそれが難しい時もあるじゃない、と、なぜかフジコさんの声が心に聞こえ、決心がつきました。

延期したらみんなから冷たくされると覚悟を決めていましたが、むしろ逆で、こんなにも愛されていたのかと、非常に驚いています。

子どものころ、いつも厳しかった母が、入院した時は毎日メロンを買って来てくれた。そんな幸せを今、噛み締めています。

たくさんのメッセージ、ありがとうございます。ひとつひとつにお返しするには時間が掛かりそうですが、私の心に響き、回復への大きな励みになっています。

こんな経験もあり、ドヴォルザークのチェロ協奏曲とピアソラは、私にとって特別な作品となるでしょう。

延期公演日程は、なるべく早い機会に決めて皆さまにお知らせいたします。1週間以内には、元気に復活する気満々です。もうくたばっちまえと呪っている皆さまにはお気の毒ですが、やっぱり神田はタフだわというところをお見せしますので、お楽しみに!