二胡とエレクトーン奇跡の出会い at JET STREAM

午前中の便で香川から東京へ。六本木のカフェレストランで野菜メインのランチをしてから、ディナー&コンサートの会場となるメンバーズクラブ・ジェットストリームへ向かいました。ツァオレイの2012年ジャパンツアー最終公演ですので、大成功させなくては。

ジェットストリームのロケーションはTOKYO FMの最上階。ワイドな窓からは、皇居越しに丸の内のスカイラインやスカイツリーを望み、大都会のパノラマと溢れる緑が目を楽しませてくれます。

景色に見とれているところにエレクトーンが到着。早速セッティングです。今回はコンパクトな空間ですが、設備は前日のMIMOCAと同等。音量は控え目ですので、余力が感じられます。互いのバランスも取りやすく、理想的なセッティングとなりました。

今回は音響エンジニアが付かないので、エレクトーンの脇にミキサーを置いて、もし不都合があれば、すぐに私が直接操作できるようにしました。また、演奏フィールドを取り囲むように客席が配置される環境なので、全体に音を行き届かせるのに苦労しましたが、なんとかいい感じに。

アンサンブルも回を重ねるごとに練れてきているので、演奏のリハーサルを繰り返す必要はなく、軽く手応えを確かめるだけで、あとは自由に音だしをする時間に充てました。

お客様が集まる頃には、窓の向こうに見事な夜景が。くじ引きでテーブルが決まり、予定通りに時間に食事がスタート。今回は、なんと私たち演奏者もテーブルについて食事を楽しみます。ツァオレイと私はダイニングホールを見渡すベンチシートに並んで座ることに。まるで新郎新婦みたいで妙な感じでした。

食事やサービスはフォーシーズンズホテル椿山荘東京仕込みの本格派。今回はイタリアンベースのコースメニューで、ワインを含むドリンクもフリーです。


秋鮭のマリネ サラダ仕立て すだち風味のビネグレット


デュバリー風カリフラワーのクリームスープ マグレ鴨の燻製とピスタチオのシャンティ


尾長鯛のポワレと帆立貝のグリエ 地中海風


和牛ほほ肉の赤ワイン煮込み


2色チョコレートムースとアイスクリーム

あとはパンと食後の飲みものが付きます。演奏前にあまり食べてはいけないと、にっぽん丸で反省したばかりなのに、とても美味しい料理に我慢できず、やっぱり全部食べてしまいました。特にスープが印象的。もう一度味わいたいです。

食事に引き続き、演奏の時間。タンゴのアンサンブルに始まり、深みのある二胡独奏、エレクトーンソロと、今回も盛りだくさん。アンサンブルは一層進化しましたし、それぞれのソロも味わい深い演奏となりました。

窓の外にはスカイツリーと幻想的な月とが並んで見え、なんとも神秘的な眺め。ツァオレイは演奏しながら目に入る向きで弾いていましたが、私は窓に背中を向けていたので、ちらりとしか見えなかったのが残念。

お客様の多くはツァオレイの熱烈なファンですが、中には二胡の本格的な演奏は初めて聞くという方も。二胡と言えば柳のようにしなやかな演奏しか思い浮かばなかったけれども、これほどまでに情熱的だとは驚いたというお言葉もいただきました。

ツァオレイ自身も、シーズン最終回の演奏とあって、一段と思いのこもった演奏を聞かせてくれました。終演後はお客様と記念撮影をしたり、アートに関する歓談で盛り上がったりと、和気あいあいのディナーコンサートに。

にっぽん丸、香川、東京と、それぞれに趣きも環境も大きく異なる演奏会ながら、お客様と音楽を濃密に共有できたという点は、すべてに共通していました。次の共演機会が待ち遠しいです。