真夜中の稽古

まだ強い風が窓ガラスを叩きつけている深夜1時50分。もう稽古は27時間続いています。その間、軽い仮眠や気分転換を兼ねての外食、メールチェックなどをする他は、ずっと楽器に向かいっぱなしです。

エレクトーンが便利なのは、ヘッドホンを使えば、深夜であっても、ふだんと変わらない大迫力の音を聞きながら稽古できることです。ただ思いっきり弾くと打鍵の音が響くので、少々控え目なタッチを心掛けています。

譜読みからある程度の出来までは早い私ですが、その「ある程度の出来」から自信が付くまでに要する期間は長大です。特に初めての作品には、たっぷりと時間を取って、じっくりと向き合いたいもの。

何度弾いても納得がいかず、ひとつの難関をクリアすればまた次の問題が見えて来るということを延々と繰り返していますが、この過程をスキップするわけにはいきません。

舞台で感じる不安や動揺を軽減するためにも、コツコツと細かく練習を重ねることが大切です。

スタートから90点までは、あっという間。でも、90点から99点までは最低10年かかります。100点の演奏は、一生に一度出来れば思い残すことはないでしょう。

さて、そろそろ仮眠を取って、また15分後に楽器へ戻ることにします。心に刻まれる演奏を目指して。