上州富岡、そして安中

行楽日和の週末は、秋のコンサート打ち合わせのため、車で安中へ。予想以上にスムーズで1時間以上早く着いたので、富岡製糸場に寄り道しました。

入り組んだ街の中に佇む広大な敷地内には、煉瓦造りの工場建物や瀟洒な住宅などが点在し、整えられた植栽や花々からも風格が感じられます。

ガイドツアーも行われていますが、マイペースでゆっくりと歴史に触れたいと思い、あえて単独行動を。今は静けさに包まれている作業場が、かつて活気や熱気に包まれていた頃に思いを馳せました。

富岡製糸場には駐車場がないので、近隣の一般駐車場を利用します。インターチェンジから製糸場まで、丁寧な道案内が出ている割には、正面玄関まで行って初めて駐車場がないという表示が目に入るのは、不親切な気がします。

正面玄関から駐車場まで引き返すには、極めて細い路地を進まなければならず、ちょっとヒヤヒヤしました。

富岡製糸場のいわば「表参道的」な路地には、土産物店や飲食店が点在しており、それぞれに個性を競い合っています。

そんな中に落ち着いた雰囲気の和カフェがあったので、入ってみました。自慢はシフォンケーキと「底が味噌プリン」。群馬は甘いものと味噌とを合わせた品が結構多いような気がします。そこでより上州らしい味噌プリンをチョイス。ユニークな味わいでした。

一服したところでちょうどいい時間に。安中へ移動し、コンサートの打ち合わせです。

10月7日に開催予定の安中市国際交流協会主催の15周年記念コンサートに、ソプラノの大山亜紀子さんと私が出演することになりました。

大山亜紀子さんは二期会で大活躍する売れっ子ソプラノ歌手。ドラマチックな歌声が魅力で、いつか共演したいと思っていた歌い手のひとりです。

一緒にやりたいと願い続けていると、どこかで縁がつながり、願いが実現します。今回が初共演なので、新鮮で印象深い演奏をお届けできることでしょう。

打ち合わせには大山さんや協会の方々、安中の音楽文化を支えている方々が集まりました。中国出身で今は安中で暮らす方が、手作りの餃子をたくさん差し入れてくれ、舌鼓を打ちながらのミーティングとなりました。

私はまだ一言しゃべるごとにゴホゴホと咳込んでしまいます。大山さんにうつしたら大変ですから、常にタオルで口を覆いながら、できるだけ大人しくしていました。まだ遠出をするには早かったかもしれません。

この後は新潟へ向かいます。