ひこうきパンと雨のこんぴらさん

金曜日から月曜日までは、西日本でのスーパーレッスンです。まずは羽田から飛行機で岡山を目指しますが、その前に、ラウンジで腹ごしらえ。ちょうど目に入ったひこうきパンを購入しました。

食べる段になって、やや躊躇。ひこうきを食いちぎると、乗った機体が上空で分解しないかと心配に・・・。恐る恐る翼を引きちぎると・・・燃料の代わりにチョコクリームが入っています。

次いで尾翼をちぎり、胴体もまっぷたつ。キャビンに当たるところは、カスタードクリーム入りです。パンは食べてしまいましたが、フライトも快適かつ無事に目的地へ到着しました。

次の目的地は、香川。いつもは坂出市内か丸亀市内に泊まりますが、やや飽きたので琴平まで足を伸ばすことに。

とうとう琴平にやって来ました。ここまで来て参拝しないなんて、ハワイで海を見ないようなもの。そう思いつつも、もう日暮れ間近だったので、宿へと急ぎます。

商店街を抜け、金刀比羅宮への表参道を脇目に、川沿いを進みます。すると屋根付きの橋が見えて来ました。説明書きを読むと、神様しか渡れないのだとか。

橋を過ぎると、ほどなく今宵の宿に到着。恭しく出迎えられ、たまにはホテルではなく旅館もいいものだと思いながら、一気にリラックス。由緒ある離れを囲む庭も見事です。

夕暮れのライトアップもいい感じ。山茶花のじゅうたんは美しく、もみじの葉が燃えるように鮮やか。

私が泊まったのは、モダンなテイストに改装された一番手ごろなプライスの部屋。それでも、ゆったりとした間取りで、テラスからは遠く瀬戸大橋や讃岐富士を望む、心地よい客室でした。

食事も風呂も、いつもひとりきり。この開放感がたまりません。夕食の給仕は、とても働き者のおばあちゃん。昼間は館内をせっせと掃除し、夕食ばかりか朝食も世話してくれました。ネームプレートを見ると、チャーミングな女子のような名前。失礼ながら、そのギャップも微笑ましく思えます。

さて、夜明けとともに金刀比羅宮の1,368段階段を駆け上り、元気に参拝しようと張り切っていたのですが、残念ながら雨。こんぴらさん参りは諦め、部屋で雨を見ながら、楽譜を書いて過ごしました。

朝食後は、琴平駅からローカル線で坂出へ。ガラガラの車内で、通路を挟んで反対のボックスにひとり座ったおばあちゃん。さて、どこへ行くのだろう。

大きな荷物に地味な服。そして履き古された若者向けのスニーカー。その汚れ具合から、毎日、畑仕事に精を出している様子が目に浮かびました。ずっと姿勢を変えず、ちょこんと座ったままのおばあちゃん。何を思っているのかな。

会話があったわけでも、一瞬たりとも目が合ったわけでもないのに、そのシーンが心に焼き付いています。

香川でのレッスンを終え、マリンライナーとのぞみとスーパーくろしおを乗り継いで和歌山へ。新幹線車内ではGPSを使って速度を表示してみました。本当に時速300キロなんだ。さすがに速いです。