白河の落葉と紫陽花

白河市の小学校巡回コンサートは、第2弾の2日目までが終了。残すところあと6ステージです。同じ市内でも、学校によって子どもたちの反応やコンサートの雰囲気もさまざまですが、共通しているのはみんな音楽を心から楽しんでくれていることです。

火曜日の朝は雲ひとつない晴天に恵まれましたが、気温はだんだんと下がって来ているようです。ホテルの前にある公園を散歩していたら、紫陽花が咲いていました。

この季節に咲く品種なのか、あるいはこれまでの暖かさに惑わされて咲いたのかわかりませんが、紫陽花ならではの青紫色と落葉した木とのコントラストは不思議な感じがします。

ふと見上げれば、真っ青な空と色づいた葉とが、色彩の鮮やかさを競いあっているかのよう。新幹線が停まる駅の真ん前とは思えない清々しさです。

白河の小学校は、地震の影響で体育館が使えない学校も少なくありません。そのため、演奏会も食堂や多目的スペースなど、さまざまな環境で行っています。

学校に到着してから開演までのわずかな時間で、演奏会に適した環境を創るには、直感的なセンスと判断が物を言います。

室内にあるものの配置を替えたり、窓からの光の差し込み方によって楽器の向きを調整したり、ちょっとした工夫で、格段に音楽を聞くにふさわしい雰囲気に変化しますが、この時、教育委員会の皆さんや学校の先生方のサポートが欠かせません。

その点、どの学校に出向いても、子どもたちによりよい音楽を届けようと、皆さんが精いっぱい協力してくれるので、子どもたちが入場する頃には、立派なコンサート会場が仕上がっています。

建物の構造により、響きの美しいところもあれば、まったく響かない部屋もあります。

演奏プログラムは毎回変えていますが、その決め手となるのが、まずは響き具合、そして時間帯や天気、学校全体の雰囲気を考慮して、その時点でベストのプログラムを決めています。

すべての回が真剣勝負ですし、一切の手抜きはありません。コンサートホールでの演奏会と違い、照明や響きの環境が整わない場合がほとんどですが、それでも毎回会場全体が音楽の幸せで包まれます。

これは月曜日の夕食。ハニートーストです。たまにこういうものを食べるととても美味しく感じます。