ひとりオーケストラw/いっこく堂 北海道・清里町

済んだ空気と堂々たる斜里岳、そして温かい人たちに囲まれた清里町でのコンサートは、想像以上の盛り上がりとなり、大成功に終えることができました。

こちらの写真はコンサート会場のガーデンから見た斜里岳を、リハーサルに入る前に撮影したもの。午後3時頃でしたが、すでに陽が傾き、強烈なスポットライトを浴びるかのように山のコントラストが浮かび上がっています。

今回の旅は急ぎ足です。当日の昼前に羽田を出発する飛行機で女満別空港へ。私は初めてエアドゥに乗りました。古い飛行機ながら、大切に清潔に使われている印象です。

女満別空港で出迎えてくれたスタッフとともに、早速会場へ。ひんやりとした空気に北海道を実感。車窓の風景は、どこを切り取っても絵になります。

ここに暮らす人たちは、毎日こんな美しい景色を見ているのかと思うと、本当にうらやましいです。畑ではビートの収穫が最盛期を過ぎ、木々はすでに落葉して、冬支度に入ったことを伺わせます。

さて、会場では私たちの到着よりも早く、ステージの準備が進んでいました。いっこく堂さんと互いの位置を決め、まずは遅めの昼食。楽屋には弁当が用意されました。

ふだんだと、演奏前に軽く胃に何かを入れる程度なのですが、この日に限って弁当を完食。しかも、それだけでは足りずにハラダのラスクをばくばく食べあさるほど。今日の演奏会にフルパワーが必要なことを、体が察していたのかもしれません。

満腹のままリハーサルに突入。今回はいっこく堂さんとのコラボですので、本格的なPAさんがサポートしてくれます。ただ、ソロの場合はいつもPAが入らないので、まずは音環境に慣れる必要があります。

PAが入ると、私はモニターの音を聞きながら演奏することになります。それは会場でお客様が聞く音とは異なるため、どうしても常に音質や響きを探ってしまい、なかなか演奏に集中できません。

でも、PAスタッフさんがとても親切で熱心だったおかげで、1時間ほどするとだいぶ音が馴染んで弾きやすくなりました。

いっこく堂さんとの合わせは、まったく問題なし。むしろ自分の演奏をどうにかしなければ。さらに、照明に一部不都合が生じていたのですが、スタッフの皆さんが懸命に原因を探り、見事解決してくれました。

こうして多くの皆さんの支えで、コンサートは無事に開演を迎えられたのです。開場前から並んで下さった方も多く、ドアオープン直後から盛り上がっていました。

コンサートは私のソロからスタート。後半はいっこく堂さんが加わって楽しい雰囲気になりますので、前半はじっくりと音楽を聞いてもらうことに。気持ちを引き締めて楽器に向かいます。

55分で7曲を弾き、いよいよいっこく堂さんをステージにお招きします。登場した瞬間から会場の雰囲気がパッと明るくなり、いっこく堂さんが師匠(人形)と一緒に客席を練り歩くと、場内は一層の活気に包まれました。

そしてテレビでも話題沸騰のものまね腹話術を披露。歌うだけでもさすがと思わせるのに、口を開かずモノマネをして、しかも人形まで操るとは・・・それはもうお見事です。

こんどはロン毛のカツラをかぶって・・・さて、これは誰でしょう。林家ペーさんではありません。美しいテノールの声で心に沁みるあの名曲を歌いました。

大人気のサトルとジョージも絶好調。より華やかな衣装に衣替えしたのですね。私はいつも至近距離の特等席で見せてもらい、ステージを忘れて楽しんでいます。

最後はお客様にご協力いただき、カンツォーネを熱唱。ステージも客席も熱気につつまれながらのフィナーレでした。

盛大な拍手にお応えしてのアンコールは、いっこく堂さんオリジナルソングの「生きてるだけでそれだけで」。演奏前にはふたりのトークもあり、いつになく緊張気味の私。でも、あっという間の楽しいコンサートでした。

最後にスタッフの皆さんと記念撮影。主催の方々はもちろん、照明をはじめ多くのボランティアさんが支えてくれたそうで、皆さんに心から感謝します。

2年前に小学校を巡回したのですが、その時のことを覚えていて、もう一度聞きたいと来てくれた子どもたちもたくさんいました。

いつもは割とおとなしい清里の皆さんが、こんなにも盛り上がって楽しんでくれて、本当に喜びいっぱいです。また皆さんに会える日が来ますように・・・