Live in ORBIS 富山と名取の薔薇

16日に開催された富山でのLive in ORBISは、私にとって北陸で初めてのソロコンサートでした。中国で受けた刺激が冷めない中での演奏は、また一味違っていたかもしれません。楽しい一日でした。

朝に東京を出発し、午後2時前には会場に到着。ステージにはすでにエレクトーンがセットされ、音響の仕込みをしているところでした。

会場はレイアウトをフレキシブルに変えられるのが特徴で、今回はエレクトーンを中央に据え、その周囲360度をお客様がぐるりと囲むセッティングです。

これにより、すべてのお客様が数メートル以内のエリアに座れるので、格段の一体感が得られることでしょう。

でも、その分、音響には気を使います。最初はエレクトーンの周囲に置いたスピーカーのみから発音するようにしてみたのですが、あまりしっくりこなかったので、天井に仕込まれたスピーカーを併用したところ、だいぶいい感じに。

それでもまだ響き具合が不自然で、音が気持ちよく溶け合いませんでしたが、音響スタッフさんが試行錯誤を重ねるうちに、どんどん音がよくなり、大きなホールと同じような気分で弾けるようになりました。

淡く絞られた照明の中でリハーサルを重ね、響きの特徴もしっかりと体に入ったところで、弁当タイム。今回は「長生き弁当」が用意されました。ぜひあやからなくては。POPな包みからは想像できない懐石風の上品な中身で、とても美味しい弁当です。

コンサートは18:45より予定通りにスタート。久しぶりのソロコンサートなので、気持ちの入り方もひとしおです。

1曲終わって挨拶のトーク。弾く時は感じなかったのですが、さすがに喋るとなると、ぐるりと囲まれていては、どちらを向いていいかわからず、おどおどしてしまいました。

そして、この舞台は自在に回転させることも可能。せっかくなので、数曲ごとに少しずつ角度を変え、同じ席に座りながら、さまざまな角度から演奏を見られるようにしました。

舞台はとてもスムーズに回転するのですが、やはり不意に動くとビビります。弾きながらぐるぐる回ったら楽しそう。

また、今回は「エレクトーンって面白い!」がテーマなので、エレクトーン演奏の醍醐味や、鍵盤の構造や機能、音色の重ね方やその弾き分け方などの説明も盛り込みました。

でも、やっぱりメインは名曲の数々。スケール感を大切に、丁寧な演奏を心掛けました。

休憩をはさんでトータル2時間のコンサート。アンコールの際には、スタンディングオベーションをして下さるお客様もいて、久しぶりに充実感を感じさせてもらいました。

楽屋に届けられた新鮮な薔薇の花束。これは、大地震の被害に遭った宮城県名取市の少女が送ってくれたものです。

大地震の翌日、富山県警や富山の自衛隊の皆さんが、名取に真っ先に駆け付け、泥だらけになりながら救援活動をしたとのこと。富山の皆さんに対し感謝の気持ちを表したかったのだそうです。

その気持ちがお客様にも伝わるよう、ホールの入口に飾り間近で見て頂きました。この薔薇は名取復活のシンボル。新鮮で瑞々しく、しかもピンとしてたくましい薔薇です。私もシャキッとしなくっちゃ!

(この薔薇は梶農園で育てられたものです。)