絶叫と熱狂の張家界最終日

張家界での音楽祭は16日まで続きますが、私は日本でのコンサートのため、14日を最後に張家界を後にします。いきなり千人の友だちができたばかりですが、もうお別れしなければなりません。

朝のホテルロビーでは華やかな衣装をまとったレディーと記念撮影し、その足で天門山ロープウェー乗り場近くに設けられた特設ステージでのコンサートへ出発。

私は午前9時からのトップバッターを務め、その後の空き時間を利用して、天門山ロープウェーを体験することにしました。

ロープウェーは全長が約7.5キロ、高低差は約1300メートルというスケール。値段も361元と高額ですが、圧倒的な眺望を体験すれば納得です。

ロープウェーは張家界市内を越え、のどかな田園地帯を越え、次第に急斜面へと進んでいきます。

高度が上がるにつれ、風を切る不気味な音が聞こえ出し、支柱を通る度にガタガタと恐ろしげな響きが伝わり、無意識に体が緊張してきました。

28分の乗車時間の後に到着した場所は、まさに天空ということばがふさわしい雰囲気。その迫力は人間の想像を超えており、写真では伝えられません。

ロープウェーの終点付近には、崖に沿って取り付けられた歩道があり、側面から見える単純な構造が、一層恐怖を増強します。脆い岩肌ですので、いつ落ちるとも限りませんし、それが今でないとは誰も言い切れません。

手すりから下を見ると、1キロほどの断崖です。覗きこんだら吸い込まれそうで、思わず表情も歪みます。

時間があれば、山に穴があいている天門山まで行きたかったのですが、タイムアップ。ロープウェーから拝むだけで我慢しました。

そして午後からは、私にとって最後のステージ。会場は開会式が行われた黄龍洞です。この会場は音響設備が格段に素晴らしいので、音は最高。アンコールまで弾かせてもらって、一生の思い出になりました。

汗だくでステージ脇に戻ると、先に出演を終えたジョージアのダンサーたちが待っていて、記念撮影。みんな、Facebookはやってないの?と聞くので、やっていればよかったと思いました。

それから張家界の空港へ。6日間に渡って親身に世話をしてくれた担当者の楊軍さんとも名残惜しくお別れし、最終便で上海へと戻りました。

上海はさすがに大都会。またいつか張家界を訪れる機会があれば、今度は手つかずの環境を冒険してみたいものです。