己と闘う少女たち

今夜チェックインしたホテルにはもう笹飾りがお目見えし、訪れた人々の願いが託されていました。

笹飾りに見入っていると、ちょうどメールが。あたり一面ホタルの舞。せせらぎが胸に沁みるとありました。光景が目に浮かびます。浴衣の季節もあっという間にやって来そうですね。

振り返って今朝の話。早朝羽田発の飛行機に乗るにあたり、じゅうぶんなゆとりを持って出発したにもかかわらず、危うく乗り遅れるところでした。

原因は道路渋滞。事故によるものらしく、先が読めずに気持ちばかりが焦って胃が縮む思いでした。朝からこういう気分は味わいたくないものです。

日中はスーパーレッスン三昧でした。コンクールシーズンを迎え、仕上げも最終段階です。せっかく本人は8合目あたりまで達した気分でいるのに、私はあえて厳しい要求を突き付け、ふもとまで引きずり下ろすようなことをしました。

勝つための稽古であることには変わりありませんが、何に打ち克つのか。それは自分自身です。

習得にこの先10年は要するような表現手法を伝授するのですから、今年の勝敗を気にしていたら、いつまで経っても手がつけられませんが、私が心強く思うのは、本人たちがその手法の効果と価値を理解していることです。

それを意識すると、つい先ほどまで難なく通過していた小節が突如険しい峰となり、何度弾き直しても思うように響かなくなるのですが、苦しみながらも諦めずに繰り返し挑む姿には、次第にオーラがにじみ出て来ます。

苦労なく身につけさせてやれればいいのかもしれませんが、試行錯誤というプロセスも無駄ではないと信じて、見守り続けようと思います。