ひとりオーケストラコンサート もりおか

6月に入って最初の日、盛岡はさわやかな晴天に恵まれました。外を歩くとちょっと風が冷たいけれど、車の窓を開けて受ける風は心地よく感じました。

今回のコンサート会場は姫神ホール。合併で盛岡市になりましたが、合併前は玉山村、もっと昔は渋民村だった場所にあります。渋民村は石川啄木のふるさととしてよく知られています。

ホールの収容人数は約600人。今回はこの玉山地区にある小学校のうち、渋民小、玉山小、巻堀小、生出小、城内小、好摩小の6校に通う、4年生から6年生までの高学年たちが集まってくれました。

午前中にリハーサルをし、開場が13時から。ドアオープンと同時に、場内に明るく元気な声が響き渡り始めました。5分前のベルが鳴ると、場内はし~ん。これも可愛らしいです。

でも、また30秒もしないうちに賑やかになり、本ベルが鳴るとまた静かになりました。メリハリがあって、いいレスポンスです。

最初のうちは行儀よく聞いていた子どもたちでしたが、私が客席に向かって質問を投げかけると、快活に応じてくれ、次第に緊張がほぐれて盛り上がって来ました。

曲によっては自然と手拍子が湧き起こったりして、とても楽しい雰囲気で進んでいきました。「次で最後の曲です」と紹介すると、「え~っ!」と名残惜しそうにしてくれたことも嬉しく思いました。

でも、休憩なしでたっぷり90分のコンサートですから、子どもたちの集中力はたいしたものですね。とにかく今日の子どもたちは本当に元気いっぱい!私の方がパワーをたくさんもらって来ました。

さっきまで熱気に包まれていたホールも、子どもたちが帰ったらまたひっそり。始まる前と違うのは、ほのかに残るあたたかい余韻です。片づけを終え、楽屋口から外へ出ると、目の前には岩手山が見えました。ちょっと霞んでいますが、きっとコンサートを見守っていてくれたことでしょう。

まだ冷たい風が吹いて、木を揺らしています。やはり、岩手の空はブルーが鮮やかです。

楽屋に置かれたご当地お菓子も印象に残ります。

裏道を通って盛岡駅へ。ホームには新幹線が双子のように並んでいますが、よく見るとちょっと顔つきが違いますね。

でも、私が待っていたのは、こちらの「はやぶさ」。長い鼻先と鮮やかなボディカラーが印象的です。

そして、おぐけんに自慢するために、新しく設けられた「グランクラス」に乗車しました。まるで飛行機のような内装で、色合いもデザインもなかなか素敵です。

とても礼儀正しく上品なサービスアテンダントが乗務していて、わずか18席とはいえ、ひとりで休む間もなく世話して回っていました。小さいものですが、お弁当も振舞われました。青森のシードルと一緒にいただきます。

さすが、人気のある列車だけあって、全車両満席でした。駅に停まる度に、ホームで熱い視線を浴びる車体。鉄道界のスーパースターですね。心地よい車両で旅を締めくくることができ、またひとつ思い出が増えました。