ひとりきりのコンサート

久しぶりにエレクトーンシティ渋谷へ。いつもより人が少なく、ひっそりとしていました。今日使わせてもらったスタジオからは、東京タワーがよく見えます・・・

というのは、ウソです。ごめんなさい。窓がひとつもない空間に、以前この部屋を使っていたJET(全日本エレクトーン指導者協会)の方が作ったフェイクの窓が、今も残されているのです。

紙にプリントされた窓枠と風景ではありますが、あるとないとでは大違い。これだけで随分と閉そく感がやわらぎます。

今日はこの部屋で5時間の稽古をしました。上海と北京で演奏する曲を中心に、演奏会さながらに弾き続けました。

意識を途切れさせる要素はまったくありませんので、いつにない集中力で気持ちよく弾くことができます。余分な力の入らない安定した演奏は、本番でもこのように弾ければいいのにという、ひとつの理想です。

弾いているうちに、なんだかもったいないような気がして来ました。せっかくのよい演奏なのに、誰も聞いている人がいないのですから。

希望を失いかけている人や、気分を高めるために刺激を求めている人に、この演奏をお届けできたらいいのに・・・

いつかそうした機会に恵まれた時のためにも、丁寧に稽古を重ねておくことにしましょう。今日はひとりきりでのコンサートです。

4月13日の公演で演奏する予定の「幕末」も何度か弾きました。弾けば弾くほどにいい曲です。日本の激動を背景にした作品ですが、今この瞬間の現実にも重なるような気がします。

今日は、この曲を弾きながら、荒野と化した土地が、やがて花々で埋め尽くされるまでの道筋が、目の前に風景として広がって見えました。13日の演奏が楽しみです。

そして4月上旬に公開予定のSTAGEAインターネットダイレクトコネクションライブハウスの動作確認を、スタッフの方々と一緒におこないました。

先日「一発録り」をした3曲+1曲の確認をするとともに、演奏に合わせて組み込まれた画像やテキストをチェック。画像の選択や画面レイアウトなど、私のイメージ以上のものを仕上げてくれてあり、音楽のイメージが一層膨らんでいました。

最後に手書きのコメントを求められました。ちょっと考えた末に、「私たちには音楽がある!!」と書いてきました。こちらもIDCをご利用になれば、ご自宅のSTAGEAに表示されます。STAGEAをお持ちの方は、ぜひお聞きになって下さい。

シティでの稽古を終えた後は、長野の友人の誘いで六本木のフレンチレストランへ。しばらくは静かすぎる状況が続いていたレストランも、数日前から少しずつ活気を取り戻してきたように感じます。

今夜はホワイトアスパラガスをふんだんに使った料理を味わいながら、打ち解けた会話を楽しみ、友情を深めて来ました。絆や出会いに改めて歓びを感じる一夜でした。