大都会の片隅に咲く花

日本中が眠れぬ夜を明かした1000年ぶりの日。東北に暮らす人たちの顔が、次々と心に浮かび、まったく穏やかな気持ちにはなれません。それでも、時は流れていきます。

真新しくなった大阪駅中央南口。冷たい石の塊に映えているのは、通路わきに設けられたささやかな花壇でした。いつもなら一瞬目をとめるくらいですが、今日ばかりは花壇のふちに腰を掛けて、しばらく花々に向かって祈りました。

午後にはスーパーレッスンをし、その足で京都へと向かいました。ふだんは多くの観光客でごった返す京都市内ですが、今日はひっそりと感じられます。客待ちの長い列を作っているタクシーに乗り込み、京都大学へ。

今日はジュニアオリジナルコンサートin京都大学が開催されました。7回目を数えるこのコンサートは、主催を京都大学、企画制作を財団法人ヤマハ音楽振興会西日本支部が担っています。

会場は京都大学のシンボルでもある、京都大学百周年時計台記念館。京都大学交響楽団との共演も予定され、注目を集めているコンサートです。

ジュニアオリジナルコンサートは、ヤマハ音楽教室で学ぶ15歳以下のこどもたちが、自ら作った曲を、自ら演奏するというコンサートで、エレクトーンを学ぶ子どもたちにとって憧れのイベントです。

毎回力作が寄せられますが、その中から特に優れた作品だけが、このコンサートに出演できます。

ピアノやエレクトーンのソロに加え、京都大学交響楽団とのアンサンブルやコンチェルトといった大作も披露され、私も客席から惜しみない拍手を贈りました。

ジュニアオリジナルコンサートを鑑賞したのは、実に25年ぶり。子どもたちの感性は時代と共に大きく変化しましたが、みずみずしさや純粋さだけはいつの時代にも変わりません。

演奏を聞きながら、子どもたちのために、わたしたちが成し遂げるべきことについて、深く考えさせられるコンサートでした。