正月の夜はDVD三昧

普段、テレビ画面とはほとんど縁のない生活をしていますが、ここ数日はDVD鑑賞にハマっています。

見逃した映画や、キーワード検索で録画予約したものなど、観たいものはたくさんあるのですが、実際にはこの先の公演資料や、昨年の公演録画ばかりを観ています。

中でも食い入るように観たのが、2010年12月8日の名古屋公演のDVD。不在中に主催者から送られてきていたものを、早速開封してプレイヤーに入れました。

映像がスタートし、舞台に私たちが登場。うわ、太って見える。一瞬ビビりましたが、画面のアスペクト設定が違っていたのが原因だったので、それを修正したら「通常」のルックスに戻りました。

いくら鮮明な映像を大画面テレビで観たとしても、その場に居合わせたお客様が感じたものが再現されることは決してありません。音楽は体験がすべてであり、メディアで再現されるものは、レプリカの価値すらないのです。

それでも、ステージにいる以上、お客様と同じ視点で自分たちを眺めることはできませんので、こうした映像資料はとても役に立ちます。

私たちがステージで感じた手応えが本物であったかどうか。振舞いや表情はどうであったか。間合いの取り方に問題はなかったか。

私たち演奏家は、ステージにいる時も冷静さと平常心を失わないよう訓練されてはいるものの、よい演奏をお届けしたいという一心から、多少は舞いあがっている部分があります。

そのため、演奏中に感じることと、こうして映像資料を観て感じることには、大きな差があります。

演奏の出来不出来に関しては、どこでどんな失敗があったかを不思議なことによく記憶していて、映像を観ながら問題の個所が近づく度に、「あああっ」と身が縮む思いがします。

それはさておき、今回の映像を観て、当日のワクワクした気持ちが再び湧き上がってきたことに加え、そこにまた新たなワクワクが加わりました。

それは、私以外の共演者たちの表情が、本番の時以上にはっきりと見えたからです。エレクトーンからの視線だと、共演者の表情はよく見えません。ステージではわからなかった共演者の晴れやかで豊かな表情を見て、また改めて彼らに惚れ直したところです。

手前みそですが、本当に楽しくて内容の濃いコンサートだったと思います。このステージを、全国の皆さまにご覧いただける機会が持てるよう、心から願います。

10月のリサイタルのDVDもそろそろできてくる頃かと思います。ソロのものは正直あまり観たくないのですが、よりよい今後のためには避けて通れません。届いたら覚悟して観てみます。