余韻を胸に次の挑戦へ

名古屋公演で私たち出演者の心を虜にした、満場のお客様からの喝采が、今なお私の胸に響き渡っています。総立ちのお客様からの歓声は、身震いするほどの心地よさでした。

いつまでも余韻に浸っていたいところですが、立ち止まってしまっては、これほどまでに歓迎して下さった名古屋の皆さまにもしめしが付きません。次の公演に向けて気持ちを引き締めいきましょう。

昨晩は興奮と激しい咳とで15分ほどしか眠れず仕舞い。頭をシャキッとさせるため、ホテルロビーへと降りてみました。部屋にこもっているよりも、人の行き交うパブリックスペースの方が落ち着くというのは稀ですが、今こそがそんな気分です。

毎年この時期になると、いくつかのヒルトンには巨大な鉄道ジオラマが出現します。それは「クリスマストレイン」と呼ばれ、ホテルを訪れる子どもたちにはもちろん、大人にも大人気なのですが、単なるシーズナルディスプレイではなく、実績のあるチャリティーイベントです。

各々の車両や、ジオラマ内の看板には、チャリティに名乗りをあげた企業のコマーシャルが掲載されます。参加企業は協賛金を納め、それがチャリティーとして役立てられる他、ジオラマ前にもドネーションボックスが置かれています。

一番目立っていたのは「ゆかり」を販売している菓子店が提供する黄金の超特急ですが、私は、片隅に飾られた、空へと飛び立とうとしているトナカイ率いるそりが気に入りました。

朝食を済ませ、大きな成果を土産に東京へと出発。東京駅では、名古屋でいただいた花束を渡すために母と落ち合い、混み合うカフェで30分ほど会話をしました。母と会うチャンスも今年はこれで最後。「よいお年を」と言い合って別れましたが、健康面でもいつも心配ばかり掛けているので、とにかく元気でいなければと思いました。

さて、今年もまだたくさんのコンサートが待ち受けています。ほとんどがソロ公演ですので、スケジュールに余裕がなくても、それほど焦りは感じません。

ただ、25日に予定されているアンサンブルのコンサート「Songs from My Heart 」は、これから編曲やデータづくりを進めなければならないので、今のところ最優先事項となっています。

こちらの公演は、まだチケットにも余裕がありますので、お時間がおありでしたら、ぜひお付き合い下さい。

そして、12月29日に急遽開催が決まった「Yuki Kanda plays STAGEA in SHANGHAI」も、やっと概要が私まで伝わってくるようになり、それに合わせて準備を進めています。

やるのかやらないのか、それさえはっきりしない時期がしばらくあって、ギリギリになって実施が決まったと思えば、「今日中にプログラムを決めてくれ」、「至急フライトの希望を伝えてくれ」といった「大至急リクエスト」の連発。

この中国式展開に慣れ、涼しい顔をして対応しなければ、大陸で仕事をするのは難しいのかもしれません。おかげで、私はすっかり慣れました。

一方、日本国内の公演準備はかなり前々からスタートします。今、オファーが来たり、内容の吟味が進んでいるのは2012年の公演です。

早々と準備が始まるのは比較的規模の大きな公演ですが、「2012年に私が何を演奏したいか」や「どんなコンサートにしたいか」を、今決めるのは容易ではありません。

常に進化を続け、その時の最高のものをお届けしたいと思うので、内容の決定はギリギリまで待ってもらっています。

そして、「神田将リサイタル2011」についてです。

2011年は10月14日(金)の夜に、浜離宮朝日ホールにて開催することが決定していますが、プログラムは演出内容については、春までじっくり考えて、満を持して発表したいと思いますので、どうぞご期待下さい。

2011年は、ますます充実した一年になりそうな予感。今からワクワクが止まりません。