川内学校コンサート 「神田将ひとりオーケストラ&セッション」

濃い霧に包まれた薩摩川内の朝。窓から外を見るといかにも寒そうに感じられましたが、実際には昨日よりも暖かい一日となりました。

今日のコンサートは隈之城小学校と樋脇中学校。下甑島を含めて、薩摩川内市内巡回コンサートは3日目ですが、連日熱いステージを繰り返していますので、今日あたりが一番疲労感が強く出てくる頃合いです。

隈之城小学校の体育館は、外気温に比べてかなり温度が低いままでした。おそらく夜明け前はかなり冷え込んだのでしょう。

今回も700人を超える小学生が集まるのですが、ピアノが舞台下にあるため、平土間での演奏となります。これは昨日も経験しているので、その際に学んだことを活かしながら準備を進めました。

軽くウォーミングアップ程度でリハーサルは終了。ホテルのフロントで購入した美味しいドリップパックのコーヒーをいれ、ほっと和んだのも束の間、元気いっぱいの子どもたちに迎えられ、コンサートが始まりました。

今日の第一曲目は、歌劇「サムソンとデリラ」より“バッカナール”。クラシック好きでなければ、小学生に知っている人は少ないと思いますが、エレクトーン1台でオーケストラのような演奏ができることを理解してもらうには都合のいい曲ですし、華やかでカッコいいので、子どもたちも興味をもってくれます。

そして、いつもはソロで演奏している「さくら」も、今回のツアーでは石川さんのドラムスが加わって、一段とダイナミックになりました。

小学生の皆さんにとって、90分に及ぶコンサートは、短い時間とはいえません。やもすると集中力切れになって、ざわざわしだす場合もあるでしょう。でも、私たちのユニットでは、時間が経つのがあっという間です。

「さあ、皆さんと楽しんできたコンサートも、次の曲で最後になります」とアナウンスすると、会場からは「え~、もう終わっちゃうの~」という声が。しかも、低学年のエリアから聞こえてくるのは嬉しいことです。

午後からは樋脇中学校。私がもらった会場リストには「樋脇小学校」と書いてあったので、てっきり小学校でのコンサートだと思い込んでいたのですが、他の欄を見たら「樋脇中学校」となっていました。私の早合点です。

でも、小学生対象と中学生対象とでは、トークの内容やトーンなどに違いがあるので、本番が始まるまでに気持ちを入れ替えなければいけません。

そういう時は、ちょっと仲間から外れてひとりになるのが効果的です。なにげなく校内を歩いていたら、中庭に子どもたちが育てた見事なコスモスの花壇がありました。冒頭の写真はその様子です。

以前、「コスモスの花は元気を湧き起こしてくれる」と聞いたことがあります。早速、花たちのパワーを分けてもらいましょう。花に近づいてみると、ミツバチたちも集まっていました。

小学校に比べると落ち着いた雰囲気でスタートするコンサート。演奏曲は同じでも、解説の内容やメッセージなどを、より高度なものにしていきます。

やはり鑑賞能力の高さは、中学生ならでは。小学生の時は「私たち演奏者もとにかく一緒に全身で楽しむ」という雰囲気ですが、中学生になると芸術鑑賞の向きが強くなってきて、演奏も自然と芸術を意識したものになります。

今日も2回とも、いいコンサートとなりました。生徒たちはもちろん、関係の先生方にも大きなご協力をいただいたからこそです。

夜は「石寿司」でメンバー全員揃っての食事。明日も2回のコンサートがありますが、終演後は一度解散となり、日曜日にまた再度集合します。石川さんは日曜日の夜遅くに合流し、月曜日のコンサートを終え次第チームを離れますので、夕食を一緒にできるのは今日が最後。

ということで、気がはやいのですが、石川さんへのお疲れ様会のような夕食となりました。

帰り際に見た薩摩川内駅前には、クリスマスのイルミネーションが輝いていました。静かな駅前では、光の明滅だけが踊っているようでした。