アマチュアならでは

8/5のコンサート「プレジール」まで、あとちょうど一ヶ月になりました。出演するみんなは、仕事や勉強、家事などの日常生活の合間をフル活用して稽古に励んでいます。私は会場打ち合わせに同行したり、プログラムをデザインしたり、主に事務方で貢献。手作り感たっぷりで、コンセプトの「ホームコンサート」にぴったりです。

みんなは私の指導というかアドバイスを期待していますが、頑固な私はそれをさりげなくスルー。いいんじゃない?とか、もう一息だねとか、当たり障りない言葉にとどめています。でも、できるだけ時間を割いて稽古に寄り添い、時にはすぐ隣に座って、時にはドアの向こうで、みんなの演奏に耳を傾けています。

これはお客様に失礼だろうという事態になれば、もちろん私も黙っていられなくなりますが、今のところ経過は上々。プロの手で整えられた演奏ではなく、音楽を心から愛し、弾く歓びを全身で表現したい気持ちが自然と溢れ出るところを、お客様に感じていただけることでしょう。

そして私が何より嬉しいのは、古い仲間がたくさん参加してくれているので、若い時の気分をもう一度味わえていることです。私が中学生だった時に一緒に弾いていた仲間から、私が駆け出しのころにレッスンに通っていた生徒たちまで、ある意味、私の人生の縮図を見返しているようです。

関わった多くの人が、今でも音楽を身近に置き、楽しみ続けているというのは、私の誇りです。写真の松信亘は中学卒業の時に私の門を叩きました。レッスンは15年前に終了していますが、今でも毎朝、起きると真っ先にエレクトーン向かい、一日を軽快にスタートするのが日課だとか。

そんなみんなの演奏は、とてもピュアです。人をあっと言わせるほどの技術はありませんが、思わず大きな拍手を送りたくなるものを持っているんですね。第九の合唱団にも同じことが言えます。私がフレッシュな気持ちを保てるのは、ピュアに音楽を楽しむアマチュアの方々との接点が多いからかもしれません。