LIVE 夢wa途中 at 和歌山

まだ真夏の暑さが残る関西の日曜日。午後からは和歌山は宮井楽器店での特別レッスンのため、南海特急で和歌山へと向かいました。いつもは早朝の列車に乗るのでガラガラですが、10時過ぎに難波を出発する列車は、行楽地へと向かう人々で結構な賑わいでした。

後ろに座ったのは「しゅうくん」とおばあちゃん。もちろん顔見知りではありませんが、しゅうくんは私にちょっかいを出したくて仕方がありません。しゅうくんの声は食器洗剤でお馴染みの「joyくん」にそっくり。甲高いのでただでさえよく響きますが、私の耳元であれこれと叫びまくっていたので、無視するわけにもいかず、結局一緒に遊ぶハメに。

さんざん楽しんだ後、しゅうくんたちはみさき公園駅で降りて行きました。束の間訪れた静寂を満喫していると、ほどなく紀の川を渡り、和歌山市駅に到着。

レッスン前にサンドイッチで腹ごしらえをし、5時間連続の稽古にのぞみました。今日はさすがに朝から疲労感が残り、首の鈍痛も気になっていましたが、レッスンが始まるなり、たちまちパワー全開。子どもたちの演奏に触れるのが、何よりの妙薬となったようです。

レッスン後は、和歌山市民会館で開催されている大人の音楽教室発表会を鑑賞しました。今年で4回目を迎えるこの催しのタイトルは「LIVE 夢wa途中」。なんともロマンチックなネーミングです。

到着した時はもう終盤に差し掛かり、3組の生徒さんたちの演奏と、2曲の講師演奏を残すのみでした。短い時間ではありましたが、それぞれにリスペクトし合いながら進めるアンサンブルには、音楽の喜びが満ちており、とても気持ちのよいステージでした。

フルート14本のアンサンブルも。

単音楽器や打楽器はアンサンブルが基本ですので、助け合いが自然と生じて調和を意識しますが、エレクトーンはひとりでも音楽を完結できるため、とかく独りよがりになりがちです。

やはり、人が力を合わせた時に生まれる響きというのは格別です。エレクトーンを独奏する場合でも、こうした有機的な雰囲気を大切にしたいものだと痛感しました。

終演後は和歌山ぶらくり商店街にある「リストランテbb(ベーベー)」でディナーを。

この店に連れてきてもらうのは2回目ですが、前回の印象がとてもよかったので、今日も楽しみにしていました。店内の吹き抜けの壁面にはスクリーンがあり、今日は映画「アイアンマン」が映し出されていました。

料理も上品で満足の味です。デザートには前回食べられずに今回こそはと狙っていた自家製プリンが出てきて大喜びでした。

ホテルに戻ってからは、宮井楽器の講師さんに差し入れてもらった和菓子を広げて、深夜のティータイム。本来は、レッスンの合間のおやつにといただいたのですが、なにしろレッスンはノンストップなので、食べられなかったのです。

見ると、当日中が消費期限の生菓子です。「総本家駿河屋」は関西では有名なお菓子屋さんですが、和歌山に本拠地があり、室町時代からの歴史を誇る老舗中の老舗。その生菓子ですから、礼儀正しく味わいたいもの。ホテルルーム備え付けの茶では失礼かと思いつつも、せめて身なりだけでも整えていただきます。