秋田県内なのに200㎞移動

大曲でさわやかな朝を迎え、今日の青少年劇場の会場となる美郷町の仙南西小学校へと向かいました。

今日も強い日差しが照りつけていますが、先週の暑さに比べたら桁違いの凌ぎやすさです。もう秋はすぐそこ。校舎のすぐ脇には、コスモスが揺れ、花畑の向こうの山々のシルエットが見えました。ここは、平地が広がる空の広い町です。

今回の青少年劇場は、3校が集まって一緒に音楽を聞きます。学校ごとに分けるのではなく、低学年と高学年のふたつの部に分けたとのことですので、それぞれの部で選曲を少し変えてみることにしました。生徒たちは1回ずつでも、先生方は2回聞くことになるので、曲が違う方が楽しみも増すでしょう。

午前中は低学年。開演前から体育館にはちびっこたちの声が賑やかに響いています。最初に校長先生の挨拶がありましたが、その語り口調は保育園の先生のように優しく、母親のように温かみが感じられます。きっと生徒たちも校長先生が大好きに違いありません。

演奏会は65分。低学年だからといって、あまりカジュアルなコンサートにはしたくなかったので、クラシックを中心にしながらも、演奏時間が短く、シンプルで軽快な曲や、美しくてわかりやすい曲などを中心に選びました。

途中、子どもたちの様子をうかがうために、演奏中でも後ろを振り返ったりしていたのですが、子どもたちには集中力があり、曲のリズムに乗って体を揺り動かしている子どももいるなど、みんな楽しんでくれているようでした。いつもの神田将とはちょっと違うイメージのワクワクステージでした。

昼食をはさんで、午後からは高学年の部です。同じく、最初は校長先生の挨拶。さきほどの低学年を対象としている時とは違い、優しさはそのままでも、全体にキリッと引き締まった話し方に変わりました。そして、生徒たちの理性を信頼しているという先生の思いが伝わって来ました。

私の演奏も、低学年の時よりは、複雑な作品や深い感情表現を伴う曲を増やしました。やはり子どもたちの集中力は終始見事なまでに保たれていました。秋田の子供たちは、とてもシャイな感じがします。明るくて素直なのですが、意見を求めたりするととたんにはにかんでしまいます。そこがまた可愛いんですけどね。

2回の演奏を無事に終え、子どもたちから贈られた花束を抱えて、次の目的地に出発です。

目指すは鹿角。同じ秋田県内ですが、鹿角は青森や岩手に近い県北に位置しています。どちらかというと県南に近い大曲からは、直線距離にして80キロ程度ですが、ナビによると高速道路を経由して200キロのルートが算出されました。

いくらなんでも直線的なルートでアクセスできる一般道の方がいいのではないかと、今夜の宿に問い合わせましたが、やはり高速を使うことを勧められました。またしても、乗り心地最悪のハイエースくんに長時間揺られるのかと思うと、溜息がでます。

そういえば、首の痛みは昨日のセルフストレッチでかなり改善しました。医者にいってもできることは限られていますし、たちまち快復するものではありませんので、自然治癒力に任せましょう。

まだ若干の吐き気が残りますが、演奏には差し支えなかったと思っています。ただ、体の節々が痛むというか、かったるいというか。首をかばって、全身の筋肉が緊張しているのかとも想像しましたが、きっと首とは無関係で、ハイエースくんの乗り心地があまりに悪いのが原因です。

楽器と一緒の移動なので、仕方がないのはわかっていますが、比内鶏や果実を運搬するトラックを見かける度に、「きっと鶏やフルーツの方が快適な移動をしているのだろうな」とうらやましく思っています。だって、傷ついたら売り物になりませんからね。私はどんなにボロボロになっても、きちんと弾きますから。

途中、昨日までいた盛岡や岩手町を経由し、岩手山パーキングエリアで休憩。岩手山が間近に眺められるのかと思ったら、8合目くらいから上しま見えませんでした。ちょっとガッカリ。

そこからさらに北上し、山間を抜けて走ることのべ3時間。暗くなったところでやっと今夜の宿に到着しました。早速館内のレストランで夕食です。

八幡平ポークのソテー マスタードソース(1,600円)

プリンアラモード(600円)

プリンはなんとプッチンプリンのようなもの。自家製プリンを想像していたので、非常~~~にガッカリしました。

食後の散歩に、宿の近くにある鹿角花輪駅に行ってみました。
上り、下りとも、最終列車は19時49分。ちょうどこの駅で入れ違いをします。

降りてきたのはほとんどが高校生。駅前に迎えに来ていた自家用車に乗りこんで走り去ると、駅はとたんに静寂に包まれました。あとは明日の朝を待つばかりです。