ラ・ボエームと親子丼

13日の金曜日。朝から外出して、午後からはTokyo Symphoniaの稽古。出演者たちは少しでもよいコンディションで演奏しようと、繰り返し演奏の感触を確かめていました。私は監督役なので、自分も弾きたい気持ちを抑えるのが大変でした。

帰宅したのはついさきほど。外にでると雨がぱらつき、屋内に入ればいつの間にか晴れていて、今日もまたいたずら好きの天使に付きまとわれていたようです。

今日もあれこれやりきれない気分が抜けず、大嫌いな溜息がもれそうになりますが、そんな時は読書代わりに、オーケストラのフルスコアを広げて眺めます。

今回眺めているのはプッチーニのラ・ボーエム。美しい旋律と心にしみる言葉の数々。私にとっては、どんな美しい風景よりも、どんなに説得力のある言葉よりも、音楽の世界に浸ることの方が心を満たしてくれます。

これまで何度も使ったフルスコアですので、各ページは使い込んだような風合いになっていますが、私は基本的に書き込みをしない方針なので、買った当時と変わらぬ情報だけを与えてくれます。

でも、どの旋律が深く訴えてくるかとか、どのパートが輝いて見えるかは、その時々によって違いますし、私の人生観の変化も影響しているように感じます。

今は第3幕でミミが「私はもうすぐ死ぬのね」と自分の運命を知り、心を決めるシーンに入り込んでいます。こうして子どもが絵本に夢中になるように、私はスコアに没頭して、そのシーンを体感するような気持ちで音楽の解釈を進めています。

今のところ、ラ・ボエームを演奏する予定はないんですけどね。

それはそうと、一日中食事をする時間が取れなかったので、深夜になってから、いけないとわかっていながらも、軽く食事をしに出掛けて来ました。

ヒルトン東京までなら遠くないので、「マーブルラウンジ」にでも行けば、少しはまともな食事ができるのですが、それも面倒だったので、もっと近所の初めて入る蕎麦屋に行きました。

そこで、蕎麦と親子丼のセットを注文しました。
親子丼は鹿児島で何度か食べたことがありますが、本格的なというか、通常がどういう状態なのかは、知識がありません。

先ほど食べた親子丼は、たまごがほぼ生の状態。ネギも入っていましたが、これもほぼ生。ネギ特有の鼻にツンとくる味ばかりで、あまりいい感じはしませんでした。しかも、鶏肉は2かけらしか入っていません。まるでネギ入り生たまご掛けゴハンみたいでした。こんなもんなんでしょうか・・・

鹿児島のは美味しかったと記憶していますが、もし今回のようなのが標準的なのだとしたら、私は親子丼がキライになりそうです。