怖いのは「興ざめ」

一度に数多くの作業を抱えていても、決して焦ることもなく、バランスよく、そして効率よく進めて行ける人のことを、私はとても尊敬しています。

私は目の前のことに一点集中型。ひとつを片付けて、そして次に進むといった、手堅い作業の仕方が得意です。

期間が短くても、集中して進めることで、密度の濃い作業が可能となり、失敗ややり直しも少なく済みますし、あれもやならきゃ、これもしなきゃと気持ちが散漫になることも防げます。

でも、ここのところ、そうも言っていられない日々が続いています。

まさに「あれもやらなきゃ、これもしなきゃ」状態。とにかく急を要することから取りかかるようにしていますが、なぜかこの時期にそうした「特急依頼」が集中し、やや泥沼化しているところです。

私は、自分の気持ちが散漫になった時点で「アウト」だと思っているので、どんなにやるべきことが重なっても、「必ず何とかなる」という落ち着きを保つよう心掛けています。

そのため、泥沼の中にあっても、私自身の気持ちは平常そのもの。
焦っているのは私ではなく、依頼主や周囲の人々なのです。

私が少しでも慌てた様子を見せていれば、精一杯やっているようなニュアンスが伝わるのかもしれませんが、いつでも涼しい顔をしているので、「少しは本気を出したら?」みたいな突っ込み方をされてしまいます。

私なりに最善を尽くし、心の底では泣きたいような焦りをなんとか沈め、必ずよいものを仕上げるという信念で取り組んでいるのですが、そうした隠れた苦労はなかなか汲み取ってもらえないようです。

でも、それも気にしない、気にしない。相手にしていたら、本当に間に合わなくなってしまいます。

そんな中、私が本気で恐れていることもあります。それは、「興ざめ」すること。取り扱っているものが、精神や魂を素材としているため、情熱が冷めてしまったら、どうにもなりません。好きでもない人を愛せと言われているのと同じになってしまいます。

ここのところ、「興ざめ」ギリギリの出来事が重なり、モチベーションを保つのに一苦労していますが、これも鍛錬と経験でしょうか、以前ほど脆く崩れることはなくなりました。

さてと、気を取り直して、山積みの作業を片付けなくちゃ。