帰宅した時にすること

一年のうちほぼ300日が外泊という生活だと、たまに自宅に戻った時には、ホッと落ち着くというよりは、次の出発までにやらなければならないことに追われ、むしろ普段よりも慌しい気分になります。

まず最初に取り掛かるのは洗濯です。
といっても、衣類はクリーニング屋に任せているので、洗うのはタオルやベッドリネンと下着類だけ。
毎日たくさんの洗濯に追われている一家の主婦に比べたら、まったくもって楽な作業ですが、男の私には面倒極まりない厄介ごとです。

ベッドリネンのすべてにアイロンを掛けなければ気が済まないといった、妙に几帳面な性格が、煩わしさを増幅しているのかもしれません。

そればかりでなく、私の自宅はタオルの量が半端じゃありません。
これも妙なクセなのですが、私は一度でも手を拭いたタオルは、洗いカゴにポイ。洗いたてでなければダメなのです。しかも、ちょっと何かを触ればすぐに手を洗うので、一日にかなりのタオルを使います。

棚にびっしりと並んだ真っ白なタオル。すべてエジプト綿100%のテリー織で、数えたことはありませんが、100枚以上はあると思います。
すべて20年ほど前に揃えて以来、一度も買い足していませんが、今でも新品同様の肌触りを保っています。今日は36枚のタオルを洗いました。

洗濯機が回っている間、銀器やクリスタルの手入れをします。これは、私の「趣味」のひとつ。大切なコレクションなので、誰かに触らせたくないというのもありますが、誰かに頼んでうっかり破損した場合、その人を一生恨むようなハメになりたくないからです。

そうだ、楽譜をひとつ探さなければ。そう思い立って、書庫に入りました。目当ての楽譜はすぐに見つかるはずでしたが、なぜか入っているはずのファイルに見当たりません。

ここも他人が絶対に触れることのない場所なので、おそらく私が勘違いしているか、使った際に戻さなかったのでしょう。

でも、前回使ったのは15年前。手書きの楽譜ですので、本とは違い探すのは大変。まるで手紙や書類を見つけるようなものです。
結局、家探しのようになりましたが、そのかいあって楽譜は見つかりました。

なぜ、マイケルジャクソンの曲が、シンフォニーのアンサンブル譜に紛れていたのかは、見当もつきませんが、無事に出てきてよかったです。

捜索中、忘れていた古い楽譜をたくさん目にして、「こんなの、やったんだな」とか、「これ、久しぶりに弾いてみたいな」など、懐かしい気分になりました。

さあ、のんびりしていられません。引き続き次の旅の準備を進めたいと思います。