待って待って待たされて
2007.06.10(日)
柳井クルーズホテル Twin Room
Yanai Cruise Hotel
楽-2

山口宇部の着陸機 この日から1週間をかけて山口県内各所で行なわれるクローズ公演のため、山口宇部空港に飛んだ。羽田の出発予定時刻は12:05だったが、雷雨の影響で機材の到着が遅れ、更に整備に時間を要し、出発は更に遅れることになった。やっと乗り込んだが、10機が離陸を待っているとかで、滑走路の手前で30分近く待たされ、ようやく離陸した。

本来は、プロデューサーと同行することになっていたが、搭乗手続きを済ませたところで電話が入り、重大な忘れ物をしたので、先に現地入りするよう指示された。携帯で調べたら、山口宇部空港から最初の宿泊地である柳井までは130キロ近くあるとのこと。そんな距離をタクシーで移動するのは不経済だと思い、後続の便で来るプロデューサーを待つことにした。

山口宇部空港に到着すると、手荷物を受け取り、そのまま出発ロビーに移動してファミリーレストランに入った。次の出発便まではかなりの間隔があるため、店内はガラガラ。考え事をしながら5杯目のコーヒーを飲み終えたところで退屈が限界に達したので、屋上の展望デッキに行ってみた。海も空も穏やかだ。人もいないし、駐機場もカラなので、ほとんど音のない世界だった。

しばらくするとそこにプロデュサーを乗せた飛行機が静かに舞い降りてきた。これが恋人の帰りを待ち侘びている身の上なら、どんなにか胸躍ることだろうが、散々待たされた不満をどうぶちまけようか企んでいるというのが現実だ。到着ロビーに行くと、疲れた様子のプロデュサーがゲートから出てきた。手にはスーパーシートの手提げが。人にはクラスJで我慢させておきながら、許しがたい!と思ったけれど、聞けばそこにしか空席がなかったとのこと。まあ、それすら満席だったら更に待たされていたわけだから、空きがあったことに感謝しなければなるまい。

そして、重大な忘れ物とは何か尋ねると、パソコンから現金など、重要なものをすべて入れてあったアタッシュケースを電車内に置き忘れたのだというから、これまたビックリ。幸い、車内に残っていることは確認できたらしいが、現在は終着駅に保管されているわけで、これから1週間は何かと不自由しそうだ。スタートからてんやわんやの旅である。

やっと空港から柳井に向けて出発。新山口駅までタクシーに乗り、新幹線、在来線と乗り継いで柳井に到着した。自宅を出発してから8時間が経っていた。柳井クルーズホテルは今年で開業15周年を迎えるコミュニティ型ホテルだ。クルーズホテルという名前から、海沿いのリゾート風ホテルを勝手に想像していたが、そうではなかった。でも、正面からホテルを見ると、ファサードのオブジェが船首を思わせ、まるで豪華客船に見えないこともない。

ロビーは広々としており、中央にはティーラウンジ兼チャペルと土産物店があり、フロントはエントランスの脇にこぢんまりと設置されている。2階と4階にはバンケット施設があり、4階の宴会場の名は「飛鳥」。更に、手にしたルームキーもまた、船体を象っているところを見ると、クルーズホテルという名に深い意味を感じてしまう。エレベータは3基あり、いずれもシースルーで、1基は最上階への急行運転。客室は27平米のツインがメインになっており、他に和室とスイートがある。

今回用意されたのもツインルームだが、2台のベッドのうち1台しかベッドメイクされていないので、もっぱらシングルユースとして使われている部屋のようだ。ベッドは105センチ幅。他に、エキストラベッドにもなるソファ、アームチェアとテーブル、デスクユニット、空の冷蔵庫を備える。クローゼットも広めに取られているが、ハンガーは4本だけだった。客室の窓は一部開閉可能だが、蚊が多いので注意するようにという案内とともに、リキッドの蚊取りが用意されている。窓にドレープはあるがレースがないというのも珍しいが、このドレープも遮光性に乏しかった。

バスルームは140×180センチのユニットで、壁はタイル張り。タオルはブルーで、大小各1枚を備えるにとどまっている。アメニティはビジネスホテル仕様で、便座に洗浄機能が備わっていない。客室内の設備は古く傷んでおり、ヤニや皮脂の混ざったような不快な臭いが染み付いていて、居心地がいいとは言えなかった。ただ、3階にある浴場は清潔感があり、ありがたい設備だった。17:00から22:00まで利用できるが、あまり使う人は多くない様子。客室のバスルームよりはるかに快適なのでもったいない。

夕食はレストラン「ラ・セーヌ」を利用した。ワンプレートディナー1,890円を注文。サラダバー、スープ、3種類の料理の盛り合わせプレート、デザート盛り合わせ、パン、コーヒーという充実の内容。味も想像していたより優れていた。サービスはアットホームな感じ。蝶ネクタイにジャケットというオーセンティックなスタイルながら、客のことを「お客さん」と呼ぶなど、東京では許されないことでも、ここではさほど違和感がないから不思議。とにかく人柄は悪くないことだけは確かだ。

朝食は盆に載って運ばれてくる。チョイスできるものはなく、内容はあらかじめ決められている。フライドエッグとベーコン、小さなパン2個、ミニサラダ、フルーツ、ヨーグルト、コーヒー、オレンジジュースという献立だが、量的に足りない感じだった。

 

27平米のツインルーム 典型的なレイアウトだがデスクのイスは味があるデザイン シッティングスペース付近のカーペットは汚れが目立つ

バスルーム扉はプラスチック タイル張りのユニットバス 夕食のデザート

広々としたロビー クルーズ船をイメージした外観 車寄せ玄関

 
柳井クルーズホテル


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