シェラトン都ホテル大阪 Premium Sheraton Super King Room
Sheraton Miyako Hotel Osaka
2009.08.21(金)
大阪市天王寺区
哀-3

窓からの眺め
 
遠回りするエアポートバス 伊丹空港から都ホテル大阪までは、空港リムジンバスを利用した。この日のように雨が降っている時は、乗り換えや徒歩のないバスかタクシーが便利だが、所要時間はバスもタクシーも大差ないので、バスの方がリーズナブルだ。と、今日の今日までそう思っていたのだが、ホテルに着くまでにいささかイライラし出して、タクシーで来ればよかったと後悔していた。

というのは、ホテルに隣接したバスターミナルに進入する際、以前は大通りから右折していたように記憶しているのだが、今では手前の交差点で曲がり、大きく迂回して入るようになって、そこで余計な時間が10分以上も掛かってしまう。目指すホテルが目の前に見えているのに、ぐるりと回った揚句、赤信号にばかり引っかかるのは、精神衛生上好ましくない。もうバスはこれきりにしよう。

だが、この宿の魅力は安いことである。なのにアクセスにタクシーを使ってしまっては、安宿を選んだ意味が失われやしないだろうか。だったら、余分な交通費をもっとグレードの高いホテルに投じた方が総じて快適なのではないか。などと考えているうちに、バスターミナルに到着した。

そこからは暑苦しい駐車場脇の通路を経由し、ロビー階のホテルエントランスへ。入口に係は不在だったが、ロビーに進むとベルアテンダントが近づいてきた。フロントカウンターは行列になっていたが、スターウッドプリファードゲストのゴールド・プラチナ用カウンターはちょうど空いたところで、スムーズに手続きが済み、ベルに案内されて部屋へと向かった。

今回用意された部屋は16階にあるキングベッドを備えた31平米のタイプ。プレミアム・シェラトン・スーパーキングルームという偉そうなネーミングなのだが、このフレーズの内、特別であることを意味している部分は「プレミアム」ではなく「シェラトン」であるらしい。このホテルには「プレミアム」カテゴリーとは別に「プレミアム・シェラトン」カテゴリーがあり、ラックレートでは後者が4,620円も高いのだが、その差の理由はまったく不明である。

16階は改装済みのフロアの中でも、後期に改装されたため、先に実施したフロアよりも意気込みが減少し、簡易的というか手抜きというか、やや物足りなさを感じる。ベッドは200センチ幅のシェラトン・スイート・スリーパーベッドを備えており、快適なマットレスやデュベカバー仕上げの寝具を使っている。ヘッドボードはライトカラーの木目。先に改装された部屋ではボード裏に間接照明を備えていたが、こちらにはない。

また、ベッドメイクの仕方が東京同様に肩が丸出しになってしまうスタイルで、肩が出ない位置まで寝具にもぐり込もうとすると、長身な人でなくても足が閊えてしまう。もう少し実用的なベッドメイクをしてもらいたいものである。

以前のアーモアは上半分が取り去られ、今は26インチの液晶テレビとDVDプレイヤーが載っている。だが、チャンネルのラインナップはビジネスホテル並みで、CS放送はCNNのみとまったく面白みがない。テレビの下は収納になっているが、冷蔵庫や湯沸かしポットの棚の他、すでに何かが入っている引き出しが2段あるのみで、図体の割に収納力に乏しい。ではクローゼットはどうかというと、ばね式の扉は自動で閉じてしまうため、開放状態を保つこともできず使い勝手は悪い。

縦長の窓近くにはどっしりとしたカウチソファがあり、壁側に独立型のオーバルデスクを据え、カタチの違うふたつのイスが添えられている。デスクトップの広さに不足はないが、壁に沿って細いカウンターでもあればもっと便利だっただろう。清掃は詰めが甘い印象で、窓や卓上は清潔とは言えない状態だった。空調は2管式で、季節により冷房と暖房が切り替わるが、今は冷房のみなので、注意していないと体が冷えてしまう。

バスルームは改装済みルームとほぼ共通の仕様だが、壁紙やベイシン前面のデザインに差がある他、ベイシン脇のミラーやハロゲンのダウンライト設置が省略されており、特にバスタブが暗い。タオルは3サイズが2枚ずつ。バスローブとナイトウエアはクローゼットにセットされていた。

今の内装はハーシュ・ベドナーによるものだが、建物の基本デザインは村野藤吾氏によるもので、室内にもその名残りが感じられる。丸くけずられた角が優しいシルエットを生み出しており、上品さをうかがわせる。ターンダウンサービスは行っておらず、客室係が引きあげる時間も早め。客層は団体が多く、サンシャインシティプリンスホテルと共通する雰囲気があり、東京の都ホテルよりはワンランク下の印象だ。

立派なヘルスクラブは地元の年配者で賑わっている。インストラクターたちもスポーツマン的というより介護師のような感覚でサービスに当たっているようだ。ロッカーや浴室は広々としていいのだが、係のおばちゃんたちが多数ウロウロしているので落ち着かない。

レストランはひとりで気軽に入れる雰囲気が不足しており、そうしたニーズに訴えようという努力はしていないらしい。館内で食事をしようと思っていたのだが、どこにも魅力を感じず、結局外に食べに出てしまった。

朝食は、前回宿泊した際、ちょうど翌日からリニューアルというタイミングだった。そのリニューアルされた朝食だが、実に最悪だった。まずい、きたない、混んでいると、不都合の三拍子が揃ってしまっており、ほめる要素はひとつもなかった。チェックアウトも行列。到着時よりも丁寧さに欠け、まさに「客をさばいている」という雰囲気だった。

 
200センチ幅ベッドがあるスーパーキングルーム ベッドの目の前にテレビ ベッド手前から窓方向を見る

窓際から入口方向を見る シェラトンスイートスリーパーベッド クローゼットの扉は使いにくかった

カウチソファ 独立型デスク 窓際の空調吹き出し口

テレビの下 冷蔵庫 DVDプレイヤー

最初のベッドメイク 肩を出さずに眠れるようメイクし直した後 バスルーム

トイレはドアの横 サーモスタット付きカラン バスアメニティ

ロビーの天井 正面玄関前 外観

 シェラトン都ホテル大阪(公式サイト)
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