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沖縄都ホテル Premium Deluxe Room  
Okinawa Miyako Hotel 2010.04.21(水)
沖縄県那覇市 楽-2

識名園

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首里の霊感


首里城を中心に、緩やかな丘がいくつも連なるこの地には、王朝時代から受け継がれる独特の「気」が満ちている。目には見えなくとも、その「気」の力強さ、気品、豊かさに包まれる時、ここはやはり異国なのだと気付かされる。

沖縄都ホテルはこうした厳かな環境にある。開業は沖縄海洋博の前年にあたる1974年。それはグランドキャッスル開業の翌年であり、沖縄のホテル文化が大きく動き始めた時だった。今では老舗のひとつに数えられる。

古いホテルだけあって、敷地の使い方は贅沢。表通りから石組の立派な門をくぐり、長いアプローチを経て正面玄関に至る。

ホテルへのゲート

基本的外観は白一色のさっぱりとしたデザインだが、かつて回転展望レストランだった最上階の円形フロアが、この建物に決定的な個性を与えている。この円形フロアは15階だが、土地自体が丘の上なので、見晴らしはいい。

ホテル外観

正面玄関から館内へ進むと、ワンフロアを広々と開放的に使ったロビーがある。レトロな内装だが、それがまたミクロネシアのリゾートに通ずるローカルテイストを思わせ、昭和のグランドホテルに見られた豪華さをも感じさせる。

特に印象的なのは、天井に施された雲か波のような照明。そうめんでも入れたらよさそうな皿を、多数逆さに吊るしたかのようだ。フロントはロビーの脇にあり、かりゆしスタイルのスタッフが、リラックスした雰囲気で対応する。花々や白い籐のベンチシートもリゾート風だ。

フロントロビー

ロビーの半分はカーペット敷きのシッティングスペース。黒っぽい籐家具が並び、待ち合わせに、くつろぎに、自由に使えるようになっている。

ロビーのシティングエリア

客室は4階から13階までに位置し、スタンダードとプレミアムのふたつのカテゴリーに大別され、それぞれにいくつかのルームタイプがある。スタンダードは主に8階まで、プレミアムは主に9階以上にあるが、フロアごとに明確な区分があるわけではないようだ。

客室階エレベータホールは、9階までが茶色の壁紙だが、10階以上だと木目で少し立派になる。廊下は薄暗い。夜になるとブラケットが点灯して少し明るいが、日中は乏しいダウンライトのみで、昼の方が暗く感じる。

今回の部屋はプレミアムデラックスルーム。同タイプにも2種類あり、4名で利用可能な小上がり付きのものと、2名利用に適したBタイプに分かれている。そのうち、11階にあるBタイプをひとりで利用した。

入口側から室内を見渡す

広さは34平米。標準タイプのツインが24平米なので、プラス10平米のゆとりがあるが、部屋の奥行きは同じながら、横幅が広いことで面積差を生み出している。

内装はモダンに一新されており、窓側壁に使った大胆な濃紺の配色と、ミンサー織のアートワークが印象的。窓枠のようなカーテンボックスも効果的だ。

入口側からシッティングスペースを見る

居室は半分がベッドスペースで、残り半分がリビングスペース。窓脇にテレビ台を兼ねた収納キャビネットを置き、そこにミニバー冷蔵庫も組み込んでいる。テレビは32インチの液晶だが、まだアナログ放送だった。

天井は丸い

ベッド120センチ幅が2台、ハリウッドツインスタイルで並ぶ。シモンズのマットレスはシモンズだが、厚さ18センチと薄く、ベッドメイクはやや乱雑な印象を残している。シーツのシワ、ベッドスカートの乱れ、クッションやピローが曲がっていることなどが原因である。

丸くなった天井部分には黄色っぽいミンサー織モチーフの壁紙を使い、そこに間接照明が当たることで、金箔張りであるかのようにも見える。客室天井高は256センチある。

シッティングスペース

リビングコーナーにあるソファは、スツール型のものを組み合わせてロングソファ状にしている。背もたれはなく、腰板風のボードを背に、クッションを4つ並べてあるのだが、座り心地は当然ながらよくない。ローテーブルを挟んで、肘掛なしで背もたれつきのソファがひとつ。これらは軽いので、簡単に移動できる。

茶セットと塩ちんすこう

冷蔵庫には有料のミネラルウォーター(250円)のみ。ミニバーの用意も特にないが、緑茶とほうじ茶のティーバッグに加え、塩ちんすこうがある。

窓からの眺め

窓は、壁の幅を考えれば小さい方だ。今回の客室からは、丘に広がる住宅やグランドキャッスルを望むが、海を見ることはできない。

デスクとクローゼット

クローゼットには扉の代わりにカーテンを使っている。見栄えはよくないが、容易に全開できるという点では扉よりも優れている。内部にはハンガーレールと3段の引き出し収納がある。

脇にはドレッサーがあり、スツールが添えらている。目の前には大きな鏡もある。この客室にはワークデスクがないので、書き物などをするにもこの場所を使わなければならないが、それには窮屈。

高速インターネットを使おうと思い、ドレッサーに設けられたLANの接続口にケーブルを差し込んだが、反応なし。フロントに尋ねると、この部屋では接続できないのだとか。接続可能な部屋は全館で30室程度しかないという。そういう点でも、ビジネスユースにはあまり向かない部屋なのかもしれない。

トイレ

トイレは完全独立しており、広さは107×92センチ。簡易型の手洗い用ベイシンもある。壁や床にも装飾性がほとんど見られず、機能重視の空間だ。

バスルーム

バスルームも全面改装されている。面積は180×140センチ。木目柄のシールを使ってナチュラルな雰囲気にし、スタイリッシュなベイシンや浴室金具も好印象だ。シャンプー類はアロマエッセの大型ディスペンサーボトルを備えている。

バスアメニティ

その他の細かいバスアメニティは、ドライヤーと一緒にベイシン脇のカゴにおさめられている。パッケージがまちまちで、過渡期にあることを感じさせる。

館内のレストランを利用する機会はなかった。最上階の回転レストランも宴会場となってしまい、今ではカフェレストランバーと和食堂を残すのみとなった。カフェレストランはブッフェ中心のカジュアルな店のようだが、フルサービスによるコース料理も提供している。和食堂は地元の人に聞くには評判がいいようだ。

かつてはルーフトップ屋外プールを営業していたが、水がすっかり抜かれ、備品がすべて片付けられているところを見ると、すでに廃止された様子。

このホテルにもオオゴマダラを飼育する蝶々ハウスがあるが、他にこれといって館内で時間を過ごす施設はないので、日中はアクティブに外出し、夜は寝るだけというステイスタイルに向いているように思った。

実際、昼間は駐車場もガラガラだが、翌朝見たらレンタカーで混雑。そこにツアーバスも来て、早い時間から玄関前は大賑わいだった。

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沖縄都ホテル

このホテルに関する過去のレビュー

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