真夏の大阪は暑い!
全天候型で滅多に暑いの寒いのと言わない私でも暑い!
それ以上に熱いステージにしようと、弟子の菊池玲那と二人三脚で奮起した大阪茨木公演は、この暑さに覚悟を決めて各地より駆け付けてくださった皆さまのおかげで、ひとつの記念となる成果を残すことができました。
一番意外だったのは、弟子とのアンサンブルは、なかなか奇妙な体験だという発見です。お互いに共演者には恵まれており、各分野の先頭を行く方々とお手合わせいただいていますが、身内同士で弾くのは今回が初めてです。
そもそも私はエレクトーンは独奏がベストと考えており、楽器の進化とともに1台でほとんどのことが可能になったのもあって、2台でやる発想がありませんでした。
しかし前記事でも述べた通り、2台アンサンブルには独奏とは異なる醍醐味があり、それは互いの干渉により生じる音楽の変化が楽しめるところです。
ただ、よく言えば互いの理解があり、悪くとらえれば馴れ合いが生じている身内の共演は、ある意味、家族の会話のようであって、逆に噛み合わないところも出てきます。
そのあたりを本番のステージでどのように擦り合わせていくのかがお客様の印象を大きく左右するだろうと思っていました。
実際、2日前から始めたリハーサルでは、まるで父親に誘われて嫌々外出に付き合う娘のように、頭ではどう振る舞うべきかわかっていても、生理的に積極的にはなりきれないという雰囲気でした。
それがリハーサル2日目にも続き、これはいったいどうなることかと不安が募ります。当日のリハーサルでは、少しは腹を括ったようでしたが、それでも何かが足りないまま、開演が近づいていったのです。
そこで気の利いた言葉でも掛ければいいのかもしれませんが、私としては玲那にあくまでプロの奏者としてステージを務めて欲しかった。ここで余計なことを言えば、むしろ逃げ場を作るだけです。
そもそも玲那は本番には強い方です。スカッとするほどよい演奏に届くことはまだ少なくても、精神的に負けて空っぽの演奏をするようなマネはしたことがありません。あとは自分が考えるはず。そう信じて流れに任せました。
今回の公演にも、玲那の妹が通っていた音響照明学校の担当の先生による全面的なご協力のもと、在学生の夏の体験を兼ねて、スタッフ一丸となってステージを盛り上げてくださいました。
これほどの照明と音響の中で弾ける機会は限られており、トータルでの雰囲気を味わいながら気分よく弾けました。
これまでの私は、演奏会は音楽がまず第一で、それを直接コントロールする奏者のイメージが優先されるべきだと考えてきましたが、ここ数年の間に、圧倒的な効果のある照明や音響と共にするステージが増え、考え方にも大きな影響を与えています。
特に音響は、微妙なバランスや音のニュアンスに大きく影響するので、なるべく自分のコントロールが及ぶようにしたい部分ですが、プロのエンジニアが介入して、これがよいと思って設定してくれたのなら、その色に乗っかってみようという気持ちになってきました。
その時に聞こえてくる自分の音に反応して、弾き方や表現を変えていくのも、ある意味、アンサンブルに通じるものであり、一緒に表現を客席に伝える営みであることを感じながらのステージでした。
さまざまな信頼が行き交い、言葉なくして形が組み立てられていく様子をご覧になり、お客様が何を受け止めてくださったのか。とても気になるところですが、きっと少しは意味があっただろうと想像しつつ、次へとコマを進めてまいります。












写真:上田海斗
