2台のエレクトーン

エレクトーンは1台での演奏でも、その多彩な音色で、想像を超える音楽体験が楽しめます。想像を超える、、、うーん、これもしっくり来ませんね。どちらかというと、想像とか概念が付いていかずに混乱する、という方がお客様が感じている印象に近いかもしれません。

ただ、私としては、複雑な使い方をして機材の性能をアピールする意図は完全にゼロで、音楽表現を充実させる、あるいは作品の本質を伝えようと工夫したら、結果こうなったわけなので、あまりルックスとサウンドのギャップを考えずに、ただ音楽を受け止めていただくのが理想です。

「エレクトーンってすごいですね」は製造元への褒め言葉であって、私の心には響きませんので悪しからず。

話が逸れましたが、本題に戻ります。さて、エレクトーンが2台あったら、何が出来るでしょうか。

もしオペラやバレエの演奏をエレクトーン2台でと提案されたら、私はお断りします。たいていの作品はエレクトーン1台でじゅうぶんな役割を果たす自信がありますし、2台の準備や奏者同士の予定を擦り合わせてのリハーサルが必要になるなど、手分けして楽になる要素よりも、むしろ手間が増えるからです。

ただ、そこに2台あるのなら、やってみたいと思うこともあります。アンサンブルというのは、ソロとはまったく違う醍醐味があり、その筆頭は対話と駆け引きです。

相手の存在によって引き起こされる心情の変化を、演奏に取り込みながら新しい世界を紡いでいく営みは、独奏の世界にはありません。

今年の茨木公演は、エレクトーン2台。神田将と弟子の菊池玲那のアンサンブルと、それぞれのソロをお聞きいただく、エレクトーンオンリーのコンサートといたしました。ご用意するエレクトーンは、もちろん最新型のELS-03Xです。

2台になっても、1×2をやるわけではありませんし、もちろん手分けして0.5+0.5=1みたいな破廉恥は決していたしません。

ポイントは、老師から弟子への伝承です。菊池玲那は、これまで私の演奏を何百回と見てきましたが、2人でエレクトーンアンサンブルをする、すなわち私のエレクトーン演奏に直接干渉するのは今回が初めてです。

舞台袖で、あるいは客席で、いくら眺めていてもわからなかったことを、菊池玲那はこの日、体験し理解するだろうと思います。少なくとも私はそう望みながら、アンサンブル譜を作成しました。

もちろん、音楽会として大満足いただけるような、スペクタキュラーなステージをご用意しております。音楽とともに深い意味とと大きな背景を持つこの演奏会を、ぜひご満喫ください。

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