ニューヨークグリル at パークハイアット東京

おぐけんが出張で上京したので、夕食に付き合ってきました。稽古でそれどころではないのですが、数少ない友達との時間も大切にしたくて、思い切って出掛けました。

そうは見えないのですが、意外と繊細でグルメなおぐけんのために選んだ店は「ニューヨークグリル」。摩天楼の人気店で、週末は予約を取るのも楽ではありません。

仕事が押して約束の時間よりもやや遅れて登場したおぐけん。41階のロビーで出会って、そのまま「ニューヨークグリル」へ向かいました。途中の「ピークラウンジ」や「ジランドール」も活気に包まれ、いい雰囲気です。

旧正月を日本で過ごす人たちでしょうか、中国からの家族連れにも多く出会いました。モデルや俳優のように美しい外国人たちもいて、洗練を極めたインテリアに見事に溶け込んでいます。

「ニューヨークグリル&バー」とフィットネスクラブ「クラブオンザパーク」専用の高層階エレベータに乗り継いで、52階へ。

エレベータの扉が開くと、そこにはレセプショニストが立っており、中に私たちが乗っていることを知っていたかのように、すかさず「こんばんは、神田様」と声が掛かりました。さすがです。

そのまま立ち止まることもなく、テーブルへと案内されました。こうした連携は実によく練れています。

テーブルに着くと、係がナプキンを膝に置いてくれます。まずはシャンパンで乾杯。ちょっとした近況報告など、会話をしている間は、係がテーブルに割り込むことはありません。

一段落着いたベストタイミングでメニューが差しだされます。コース、アラカルト、そしてワインリスト。それらを眺めながら、また会話に花が咲きます。

ふとしたことから、おぐけんの誕生日が昨日であることを知らされました。実は、昨晩、今日は誰かの誕生日だったはずだけど、誰のだかどうしても思い出せずに、気持ち悪かったところでしたので、スッキリ。

おぐけんはアラカルトでチョイスするようなので、私もそれに皿数を合わせます。今夜は前菜と主菜の2皿。こちらはボリューム満点ですので、これでも十分にお腹いっぱいになります。

最初に運ばれてくるのが、オリーブを練り込んだパン。開業以来人気のこのパンはデリカテッセンでも扱われています。美味しいからと言って、ここで欲張ったら、後が苦しくなりますので、ほどほどにしましょう。

前菜は「フレッシュブラタチーズとイベリコハム 高知トマトとバジル タイム風味のグリッシーニを添えて」4,290円。イベリコハムはすっかりポピュラーになりましたが、フレッシュなブラタチーズはまだ滅多にお目に掛かれません。生湯葉のような軽やかでクリーミーな味わいです。

メインは「三陸産帆立貝 サンドライトマトと山葵のサルサ」5,060円。大粒の帆立5つをオーブン焼き。下に敷いたワサビのサルサがよくマッチします。

サイドディッシュには、「マッシュドポテトとガーリックチップス」1,210円、「森のキノコのロースト リコッタチーズ ヘーゼルナッツガーリックバター」1,650円、「ほうれん草のソテー 松の実とプレザーブレモン」1,320円を注文し、おぐけんと分け合いました。中でもお気に入りはクリーミーなマッシュポテトです。

お腹いっぱいになりながらも、ワインを飲みながら、最後まで綺麗に食べきりました。デザートはさっぱりと「アイスクリームとシャーベット」を。

サービスのタイミングや、途中の細やかな気遣いも絶妙。至れり尽くせりですが、邪魔になることもありません。折り目正しい中にも、親しみや打ち解けた雰囲気を漂わせ、嫌みのない自然なサービススタイル。以前の気取った感じはすっかり消えました。

3時間半も長居をしましたが、その間にも入れ替わり立ち替わりお客がやって来ては帰り、それでも常に満席。今夜は霞んで夜景は美しくありませんでしたが、この人気店は素晴らしい輝きを放っていました。