ルームサービス

昨日のこと。日中のスケジュールが早めに終わり、明るいうちに滞在するホテルへと到着。
予定が夜まで掛かることを想定していたので、約束がありません。
懐かしい神戸で、思いがけず手にした自由な時間をどのように活用するか、港を眺めながらしばらくぼんやりと考えました。

おぐけんを呼び出すのも手ですが、シングル時代とは違いますから、かえって困らせるだけかもしれません。
他にも久しぶりに会いたい人の顔が次々と浮かびますが、「時間が空いたなら中途半端になっている編曲をさっさと仕上げてしまえ」と、左脳がちょっかいを出します。

まあ、確かに。楽譜の到着を今か今かと待っている人の立場を考えれば、それが正しい選択です。デスクに必要な機材をセットし、いざ始めようとするのですが、今日はどうも筆が進みません。

ずっとデスクに向かっていても焦りが募るばかりですので、床でヨガをしてみたり、自重トレーニングをしてみたり、ハーブティーを入れてみたりしますが、どうも私のミューズは本日休業のようです。

気がつけば、どっぷりと夜。もうどこかに繰り出すには機を逃しているので、このまま室内で過ごすことにしました。
クリエイティブモードだった先ほどまでと違うのは、それをきっぱり店じまいにして、リラックス気分に切り替えたという点です。

話題のレストランやバーに出向くのも心が弾みますが、こんな時はルームサービスで、気持ちを緩めたまま、スローな食事を楽しむのがいいでしょう。

注文を済ませてからバスタブに浸かり、チャイムが鳴ったら濡れた素肌にそのままバスローブを羽織って応じ、眺めのいい場所にセッティングしてもらえば、自分だけのプライベートダイニングの出来上がり。

そして、食事の後は、残ったシャンパンを片手に、またバスタブに滑り込んで、溜息の素を泡と一緒に吹き飛ばしてしまえばいいのです。

朝食もまたルームサービス。
「ベッドで朝食を・・・」といったフレーズにあこがれる人もいるようですが、これはお姫様でないと似合いません。誰に見られるわけではないので、自分をお姫様だと思い込めば済むことですけれど、もし鏡に自分が映ったら入院患者にしか見えないでしょうから、ちゃんと起き上がって食べましょう。

朝食にはホテルのグレードが色濃く映し出されます。
もし味に問題があれば、もはや一流ホテルではありません。美味しいのは当然のことで、その上で、美しく上品な器や清潔なリネン、添えられる新鮮な花など、朝のひとときを彩る工夫がふんだんに施されていてこそ、高い料金に相応しい内容だと感じられますし、トーストやコーヒーの温度、あるいはチャイムの鳴らし方をはじめとした給仕の振舞いも、印象を大きく左右することでしょう。

朝は、よい一日をスタートする大切な時間です。ホテルのルームサービスを活用すれば、ゆとりある雰囲気の中、新しいアイデアが浮かんでくるかもしれません。今朝もそんな淡い期待を胸に、テラスに向かって朝食を楽しみました。