アンサンブルガーデン

ずっとピアノやエレクトーンを習っているけれど、先生の演奏を聞いたことがないという生徒さんは少なくないと思います。今の先生方はとても忙しく、ご自身の演奏は後回しにせざるを得ません。本当は弾くことも大好きなはずなのに。そこでそんな先生たちを、無理やりステージに引っ張り出すコンサートを企画しました。

やるからには真剣に。なんだ、たいしたことないじゃないなんてことになったら、先生のメンツ丸つぶれです。生徒さんたちにも、その保護者の皆さんにも、先生に惚れ直したと感じてもらえるよう、できる限りのサポートをしながら稽古を重ねたこのコンサート。当初想定していたよりも素晴らしい出来栄えに、生徒たちより先に私が先生方に惚れ直しました。

時に真剣なまなざしで、時に楽しげに、音楽と一体になって演奏する先生の姿は、指導に熱を込めている時とは一味違います。この様子を見て、生徒たちは何を思うでしょう。

私自身の記憶をたどれば、先生の演奏は極めて特別なものとして思い出に刻まれています。発表会の講師演奏は、その音色、舞台の雰囲気、先生の仕草や着ていたものまで鮮明に思い出せます。それはそのまま思い出の曲となり、どこかで耳にする度に、特別な気分になれます。

今回も先生方にはたいへんなご苦労をお掛けしましたが、きっと弾いて良かったと思ってくれることでしょう。そして生徒たちにとって、最高の思い出になるに違いありません。