プッチーニに魅せられて

昨年はプッチーニのメモリアルイヤーだったこともあり、あちこちでプッチーニの作品を演奏する機会に恵まれました。その反動でしょうか、今年は機会が限られており、そのぶん、一度ごとのプッチーニがひときわ愛おしく感じられます。

私とオペラの出会いは遅く、エレクトーンを専門に演奏するようになってからのこと。それまではミュージカルやコーラスの方が身近で、オペラには重たく過度なイメージがありました。

それが一変したのがプッチーニの「ラ・ボエーム」を演奏する機会を与えられた時。実は、オペラの演奏はそれが初めてではなく、すでにモーツァルトやベルディを弾いていたのですが、まだ若かった私には厳格で気難しい、あるいは、整い過ぎて逆に怖い、と思えてしまい、それほど夢中になれなかったのです。

それに対してプッチーニの音楽は、流動性に富み、感情に正直で、おおらかさを感じさせてくれ、時に曖昧な響きはたちまち私を魅了しました。

最近、プッチーニ歌いとして名高い平野雅世さんのお声がけで、全作品を網羅するチャンスを与えられ、その音楽の隅々にまで手を伸ばすことができました。これからは、それを洗練に進化させ、いついつまでも弾き続けたいと思っています。

この私が大好きな作曲家の名曲を次から次へと弾くという、何とも幸せな企画が7月の東京で開催されることは以前にもご紹介しましたが、まだ1ヶ月半も先なのに待ちきれないほど楽しみで仕方ありません。

やはり、オペラ系のステージは、何といっても歌い手がよくなければ話にならないわけですが、今回もご一緒する藤井玲南さん、澤原行正さんの歌声は、誰もが一度聞けば虜になる心地よさです。

そして会場の霞町音楽堂がこれまたステキなのです。いつかここで弾きたいと心に秘めていたところ、今回その願いが叶うことになりました。

豪華客船のプライベートサロンを思わせる重厚で親密な空間で楽しむプッチーニ。食事とお飲み物もひとときを粋に彩ってくれることでしょう。アフターステージには、お客様と出演者の交流時間がたっぷり設けられています。

ぜひこの機会に私たちの演奏をお聴きいただき、ご一緒に語らいましょう。ご参加を心よりお待ちしております。

詳細はこちら

7.18(Fri)18:00start /21:00close
18:00Food&Drink,
19:00Performance,
20:00 Social Gathering,
21:00close

霞町音楽堂

東京都港区西麻布4-2-6 B1
 広尾駅4番出口から徒歩8分
 六本木駅から徒歩11分
 乃木坂駅5番出口から徒歩12分

tel:03-6427-2771

¥15,000円(ワンプレートディナー、ワンドリンク付)

Programme
「マノン・レスコー」間奏曲
「ジャンニ・スキッキ」より “フィレンツェは花咲く木のように” “私のお父さん”
「蝶々夫人」間奏曲
「トスカ」より “ああ、あの眼は!” “歌に生き恋に生き” “星は光りぬ”
「トゥーランドット」 序奏と“茉莉花”
「ラ・ボエーム」より “冷たき手を” “私の名前はミミ” “愛らしい乙女よ”