5月24日にスタートを切った霞町音楽堂「奇跡のコンチェルト」シリーズ本編は、誰も(奏者自身も)が予想しなかった大反響を呼び、今なお興奮の余韻が続いています。
あまりにもクレイジーな企画に半信半疑だった方々も、こりゃ参ったという感じで認めてくださり、一気に風向きが変わりました。たいへん見事なピアノ独奏をご披露くださった広瀬悦子さんに、改めて感謝と敬意を表します。
本編第2弾に登場なさるのは、青柳晋さん。過日はリサイタルを大成功させ、新しいCDがリリースされたばかりと、静かなブームを巻き起こしているところで、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を弾いてくださるというのですから、これは聞き逃せません。
青柳晋さんとは、千葉市美浜、仙台クラシックフェスティバル、姫路と3度にわたりラフマニノフのパガニーニラプソディをご一緒し、姫路ではチャイコフスキーのピアノ協奏曲もさせていただきました。
青柳晋さんは常に冷静で、悟りを開いた高僧のような落ち着きがあります。クラシックの音楽家というより、能楽師に近い感覚のようにお見受けするほど。なので、一見、人間味を越えた表現にも感じるのですが、よくよく耳を澄ませば、温かい人の声がしてくる、そんな印象です。
ラフマニノフの第3番といえば、先日、米津真浩さんと共演したばかり。この曲は難曲中の難曲でして、ちょっとやそっとじゃ太刀打ちできず、米津真浩さんとも旧知の仲を思い起こしながら血の通ったアンサンブルをしようと試みつつも、お互い鬼の形相で必死になっているうちに終わった、という感じでした。
それでも、我が両親は、さすが長い付き合いだけのことはあって、お互いの思いやりが気持ちよかったと述べていたので、いろいろな聞き方があり、整った演奏だけが答えではないと気付かされました。
さて、青柳晋さんとは、どんなラフマニノフ第3番になるでしょうか。実は、私、青柳晋さん相手だと、めちゃくちゃ緊張するのです。威嚇されているわけでも、白い目で見られているわけでもないのに、何か呪いに掛かったように麻痺したことがあって、トラウマになってないか不安です。
そんな時も、優しく「ゆっくりやりましょう、こちらも助かります」なんて言ってくださるものですから、尚のこと申し訳なかったりして。まあ、今度こそ!などと意気込むとかえって危険なので、平常心で臨みたいと思います。
ラフマニノフの前に、エレクトーン独奏でムソルグスキー「禿山の一夜」、ピアノ独奏でベートーヴェン「テンペスト」をお楽しみください。嵐と嵐!大旋風からの第3番!これは面白いことになりますよ!



