8月10日に宇部で開催される真夏の第九コンサートに向けた合唱団の練習会に参加するため、宇部を訪ねました。
予定を決めた時に、ちょうど日本航空のセール中だったので、往復の飛行機代は超お得。急遽同行することになったマネジャーはスカイメイトで飛べたので、これまたお得。節約快適な旅はいいものです。
小さな飛行機で宇部へ着くと、合唱団を率いる佐藤華純さんが出迎えてくれ、まずはじっくりと打ち合わせを。メールのやり取りではニュアンスが伝わりにくい部分も、会って話せば一気に解決できました。
練習会場では、すでに神木涼さんがピアノでウォーミングアップを率いてくれ、歌声が響いていました。紹介を受けてまずはご挨拶を。
初めましての方にご挙手いただくと、思っていたより多くの手が上がり、新しい出会いの多さに感謝。すでにミュージカルや別の第九でご一緒した方々とは、久しぶりの嬉しい再会です。
この練習会にソリストの参加はありませんが、どれほど素晴らしい歌い手なのかを、共演のエピソードなど交えてご紹介。エレクトーンでシンフォニーを弾くことについて簡単にご説明しながら、この公演で目指すものを丁寧にお伝えしました。
いよいよ音出しです。初めてエレクトーンの音を聞く方もいらっしゃるでしょうし、指揮なしの第九に不安もおありでしょう。とにかくやってみる。問題があれば、それから考える。ということで、いきなり本番同様に通しました。
感触は上々です。皆さん勘がいい。そして、素晴らしく意欲的です。大きな問題はなさそうです。
私は体調不良で前日は寝込んでいたので、じゅうぶんな練習をできずに宇部に来てしまい、はちゃめちゃな演奏になったにもかかわらず、団員たちはきちんとついてきてくれました。
合わせの手応えを踏まえて、細かい練習へとコマを進めます。特別な工夫をしたわけでなくても、次第に熱を帯びて、ひとつにまとまってくる。その変化がとても気持ちよく、期待も高まります。
私にとって合唱団はパートナーですので、こちらから一方的に仕掛けたり、追随を要求することはありません。互いに鼓舞し合い、時には合唱団から私の方にパワーを送ってもらいます。そうして私の体を貫いたエネルギーは、必ず客席へ届きます。
同じ第九をやっていても、各地で全く違う仕上がりになるのも、こうして個々の持ち味を重視しているからかもしれません。
第九の稽古をひと通り終えたら、椿姫ハイライトの合唱シーンを。指導の佐藤さんからは、まだ歌うのがやっとで、動きを入れたり通すのは難しいという聞いていたのですが、強引にやってみたらあんがいいい感じでしたので、本番までには素晴らしい仕上がりになるでしょう。
3時間半の練習会はあっという間に終わりました。声も出にくいし耳も聞こえにくくなっていたので、せっかく新聞社が取材をしてくれたのに、半分どっかにいっちゃった芸能人の記者会見みたいに、訳の分からない応対になってしまったかもしれません。よく覚えていないのですが、変な記事になっていたらすみません。
練習会の後は交流会。お弁当を食べながら、合唱団の皆さんからのコメントを聞きました。こうしてひとりひとりの思いにふれると、合唱団とひとくくりにはしたくない思いが一段と強くなります。
ひとりひとりにドラマがある。そんな風景が見えてくるステージにしたいと思います。




写真:上田海斗
